
なるべく身軽に経営したい
事業を営んでいると、不安といったものはついて回るものかもしれません。
なかでも「銀行から受けている融資は、なるべく早く完済しないと不安。」といったものもあったりするものでしょう。
だからか「銀行融資は完済して、また受けたければ申し込めばいい。」
「定期的に銀行融資を受けておくなんてムダだよ。」とも感じることがあるかもしれません。
「無借金経営」というフレーズが勝ち組のような雰囲気もあるともいえるからです。
銀行融資の完済はなぜダメだと言われるのか
銀行融資をいうのは「完済」は避けていくべきだといえます。
担当がつかなくなり忘れ去られるから
「銀行と取引をしている会社。」というのは、
銀行員にとって「融資を実行している会社。」となったりもするものです。
それこそ、融資を実行するにあたって「この会社はうちの銀行で預金取引もあったのか。」と気がついたりするのが銀行員だといえます。
そして、融資先となる会社には「担当がつく。」ともなるものです。
「年に一度だけ決算書を貰いに来る銀行員。」
「折に触れて訪問してくる銀行員。」
「融資の窓口となっている銀行員。」などが、担当の銀行員だといえます。
担当がつくことによって、銀行内部にも定期的に情報が共有され、会社の事業内容や社長の性格などを少なくない銀行員が認識していくことになるのです。
「〇〇という会社がある。」と認識されていくといえます。
ただ、融資残高がなくなると「自然と担当が付かなくなり存在を忘れていく。」となるのです。
そんな「担当がつかないデメリット。」は、新たに融資を受けようとした際に手間が増えていくといえます。
融資を受けられるスピードが落ちるから
銀行融資というのは、担当の銀行員がつくことによって「勝手知ったる会社。」と銀行からみなされていくといえます。
「決算を迎えたから決算書を預り格付けが終わっている。」
「社長の性格や個人資産などを大まかに把握できている。」
「事業内容や業界の動向に目を配る。」などというように、会社や会社周辺の情報を銀行員や銀行も持つようになるといえるのです。
そんな「勝手知ったる会社。」には、融資申し込みから融資実行までのスピードが早くなるといったこともあったりするものです。
「融資実行までは3週間から1ヶ月半はみたほうがいい。」
というのが銀行融資を受ける際のひとつの常識だったりするものですが「5営業日で融資が受けられた。」ともなるのが勝手知ったる会社には起こり得ることだといえます。
「ずいぶん、実行まで早いね。」といったような。
また、赤字決算だったとしても「融資が受けられるわけではない。」というのが、銀行から融資を受けている勝手知ったる会社だといえるものです。
なので、融資を完済しないほうが「勝手知ったる会社。」となり、融資実行までの日数が早くなり必要な書類も少なくてすむともいえます。
プロパー融資が受けづらくなるから
銀行融資というのは、信用保証協会という期間が保証に入ってくれる信用保証協会付き融資とその銀行オリジナルのプロパー融資にわけられるといえます。
そして、銀行員というのは「協会枠が余ってるなら、さくっと信用保証協会付き融資にしておこう。」となったりするものなのです。
なぜなら、融資稟議書を作成する手間がレベチで異なってくるからだといえます。
「協会付き融資なら残業なしでもイケる。」といったものが、
「プロパー融資だから、一筆(なぜ、わざわざプロパー融資で取り上げるのかという理由)を書くのが大変で。。。」という感覚が銀行員にはあるといえるのです。
そんな、銀行員にとっても手間となるプロパー融資は、勝手知ったる会社のほうがやりやすいといえます。
一筆などもスラスラ出てくるものですし、応援したい気持ちが溢れてくるからです。
ただ、融資取引がいまはない会社であれば、
「いきなり貸し倒れとか怖いから協会を付けておこう。。。」となるのです。
なので、銀行融資を完済して「銀行の取引先」といったカテゴリーから外れると、お得な融資が受けづらくなることもあったりするといえます。
まとめ
銀行融資の完済は、事業を営んでいる限り積極的にはおこなわない方がいいといえます。