年商1億円を超えたら「銀行との付き合い方」を変えよう

年商が1億円を超えてくると、社長としてはひとつ山を越えた感覚があったりするかもしれません。

そんな「売上も従業員も増えて、日々の資金繰りもそこそこ回っている。」などという、このタイミングから銀行融資対応を見直すといいといえます。



複数行と融資取引


年商が数千万円の頃は、

「融資が受けられたこの銀行とだけ取引をしていく。」とも考えたりするものかもしれません。

そして、銀行融資を受ける銀行は1行だけでもいいといえます。

「融資が受けられるか、どうか。」がメインテーマになっていくといえるからです。

とはいっても、年商が1億円を超えてきたら複数の銀行と融資取引をするようにしていきましょう。

少なくとも「日本政策金融公庫の一行取引。」といったことは避けるべきだといえます。

信用金庫や地方銀行もプラスして、融資を受ける銀行を増やしていくべきなのです。

なぜなら、銀行にはそれぞれ会社ごとに融資ができる金額が決まっているといえるからです。

「この会社には、うちの銀行としては1,000万円まで。」などと、その銀行ごとにその会社へ融資ができる上限を決めていたりするといえます。

すると、年商1億円程度であれば、

「うちの銀行的には、もう融資枠はパンパン。」ともなったりする可能性もあるのです。

なので「より多く、より条件よく、より迅速に。」銀行融資が受けられるように、最低でも2行以上と融資取引をおこなったほうがいいといえます。


メインバンクを定める


「複数の銀行と融資取引をおこなったほうがいい。」といっても、決めておいたほうがいいことがあったりするといえます。

それは「メイン」とする銀行を決めておくということです。

年商1億円くらいまでは、

「とりあえず近くの信用金庫」「紹介された地銀」など、その場その場で付き合っているケースが多いといえるかもしれません。

ただ、売上が1億円を超えたら「メインバンクをどこにするか」の戦略を持って決めていきましょう。

そのためにも、

「給与振込や主要取引先への入金支払口座。」

「信用保証協会付き融資、プロパー融資の残高が最も多い銀行。」

「決算書を毎期しっかり見てくれている銀行員がいる銀行。」など多面的に意識しながら、メインバンクを定めていくのです。

そんなメインバンクには、

「まずは、この銀行に最初に最も多くの情報を出す。」と決めて対応をすることも必要だといえます。

いつか訪れるかもしれない「いざというとき」に備えて、取引量も情報量も多く出すメインバンクを意識してつくっていくべきだからです。

その際には「日本政策金融公庫をメインバンクにする。」のではなく、地方銀行や信用金庫のいずれかをメインバンクとして定めていきましょう。


プロパー融資の可能性を上げるために行動する


年商1億円を超えてくると、

業績次第では「信用保証協会付き融資だけでなく、今回はプロパー融資で対応します。」と銀行員から言われることも増えてくるといえます。

特に、今後も事業拡大や設備投資を考えている会社なら、

「保証協会の枠」だけに依存しなくてすむ、プロパー融資が受けられるチャンスを育んでいく行動が大切だといえるものです。

なので「年商が増えてきて忙しい。」などといった言葉は禁句にして、

「資金が必要になったら連絡するところが銀行」などといった意識は捨て行動していきましょう。

なぜなら、銀行が本気の対応となる、

「この会社は、プロパー融資が受けられる会社だ。」と評価するのは「平時から情報をきちんと出してくれる会社」だといえるからです。

だからこそ、銀行融資対応のルーティンを決めて「社長業のひとつ。」として行動していきましょう。

たとえば、決算終了後には、

「決算書式をメインバンクから順番に持っていき、ざっくり1年間の振り返りと来期の見通しを説明する決算報告。」をおこなっていくべきだといえます。

また、決算終了後から半年程度が経ったら、

「その時点での直近の試算表・資金繰り表」を持って担当の銀行員に対して「売上の推移、大口先の取引先の動向、設備投資予定など。」を説明していくべきです。

「資金が必要な困ったときだけ。」というのでは避けるべきだといえます。

常に社長から情報提供をするようにできれば、

「この会社は状況がよく見える」「早めに相談してくれる」という印象になり、銀行融資が受けられるスピード感も上がり、プロパー融資に繋がっていくといえるのです。


まとめ


年商1億円となったら、銀行に対する姿勢をより変化させていきましょう。