優良法人になると税務調査で優遇を受けることもある

税務署は、税務調査を効率的に行なうために調査選定先のランク分けをしているともいわれています。

そのなかでも、最高ランクである優良法人には税務調査の優遇がされることもあるようです。



税務署は税務調査を効率的に行なうことを考えている


税務調査を効率的に行なうためには、

「税務上の誤りが少ない個人事業者や法人に調査に入っても生産的だとはいえない。」という考えが税務署にはあるようです。

税務上の誤りが少なく納税状況が継続的に優良だとされる法人には、

「優良法人と認定をする。」ことで、税務調査の頻度を下げ業務の効率化を図るということを税務署は行っています。

税務署は役所だといっても、働かずにやり過ごすといったような体質であることは少なく、

「業務を効率的に行なう。」ということを考えている組織だといわれています。

なので、調査官ひとり当たりの追徴税額をなるべく高くできるところを税務調査の対象として選定しているようです。

そのためには「せっかく税務調査に入ったけど、税金を追加徴収できなかった。」ということを避ける必要があるといえます。


優良法人とは


税務署が効率的な税務調査を行なうためには、調査の対象先をある程度絞る必要があります。

そのため、法人を5つのランクに分けて申告状況を管理しているといわれています。

その5つのランクは、「優良法人」、「準優良法人」、「循環接触法人」、「暦年接触法人」、「悪質法人」などといった名称を用いて税務調査の選定先としての濃淡を分けているようです。

なかでも最高ランクの優良法人というのは、申告納税状況が優良(いわゆる納税額が多い)で、

「過去の税務調査でも指摘事項が少なく、それほど頻繁に税務調査を行わなくても問題がない法人。」

ということで、特別に税務署長に優良と認定された法人となっています。

ただし、常に申告納付状況が優良でなければならず、赤字申告が続くと取り消されることもあるといわれています。


優良法人の税務調査の実態は


優良法人というのは、申告納付状況に問題がなく税務上の誤りも少ないので、

税務署からすると、そのような優良法人に税務調査に入っても「生産的ではない。」と考えられています。

なので、優良法人には一般的な税務調査は行われません。

とはいっても、優良法人と認定されるとだいたい5年に1度ほど簡単な形式的調査が行われ、

「引き続き優良法人の認定を行なうべきなのか。」といった確認が行われているようです。

このように優良法人と認められると、税務調査も形式的な調査となるので、税務署対応の負担が少なくなるといえるでしょう。

それでも、赤字が続くなどすると優良法人の取り消しが行われることになりますし、

この制度を悪用して脱税などを行っていると、厳しい税務調査を受けることになるといえます。