税務調査においては、消費税のみが単独で調べられるという事例はかなり少ないといえます。
なので、消費税の税務調査に関して通常は、所得税や法人税の調査に付随して行われることになります。
とはいっても、消費税の支払いは多額になることもあるので注意が必要です。
国家歳入の基幹税収入をとなっている消費税
「節税をしたい。」
と考える場合には個人事業者であれば所得税、法人であれば法人税の節税を考えますよね。
なので、国家の歳入といえば「所得税や法人税がメインの収入。」となっていると考えるかもしれません。
しかし、税収としてもっとも大きな財源となっているのは、いまや消費税になります。
その消費税の税収は2021年時点では、約20.2兆円となっており、所得税の18.6挑円や法人税の8.9兆円よりも多くなっています。
近年、相続税の非課税枠減少によって相続税の関心が高まっていますが、相続税に関しては約2.2兆円の税収となっており、消費税の1/10ほどの税収しかありません。
このように消費税は国家税収にとって、もっとも稼ぎ頭の税金となっています。
消費税の税務調査は単独では行われない
歳入のうち最も税収が多い消費税ですが、税務調査においては「単独で消費税が調査対象となる。」といった機会はほとんどありません。
法人税や所得税の税務調査に付随して行われているのが、消費税の税務調査といえます。
なので、個人事業者については個人課税部門。
法人については法人課税部門といった部署が、所得税や法人税の調査に併せて消費税の税務調査を行なうことになっています。
そのため、税務署においては消費税専門の部署はないということになっています。
このように消費税専門の部署は税務署にはないので、
「消費税の税務調査を行いたい。」
といった通知が来ることはほぼなく、所得税や法人税の調査のなかで消費税も併せて調べられることになっています。
税務調査における消費税の注意点
消費税というのは、所得税や法人税と異なり間接税になっているので、消費税を実際に負担しているのは消費者ということになります。
なので「消費税の支払い負担が重いなぁ。」と感じていたとしても、事業者は消費者から預かった消費税を代わりに納めているだけです。
その消費税の支払額の計算は、簡単にいえば、
「課税売上の消費税額−課税仕入の消費税額。」が支払うべき消費税額だといえます。
この計算方法が利益に課税される所得税や法人税と異なる部分になっています。
消費税額の計算については、
- 課税事業者
- 課税取引
- 非課税取引
- 免税取引
- 不課税取引
- 課税売上割合の計算方法
などといったように、他の税金とは異なる独特の計算方法となっているといえるでしょう。
また、簡易課税制度の届出など「届出書が適正に提出されているのか。」
といったことにも注意しないと、多額の追加支払いとなってしまうことがあるので注意が必要です。