税務調査で青色申告を取り消すと言われることはいまはそれほどない

「青色申告の承認を取り消します。」

という指摘を税務調査で受けるということは、いまではそれほどないといえます。



青色申告には様々な特典がある


事業を営んでいて確定申告を行なう際には「青色申告」で申告を行なうべきだといえるでしょう。

その青色申告には「所得が赤字となった場合の赤字の繰越」や「減価償却における特別ルール」といったもの、

また、個人事業主の場合には「青色申告特別控除として65万円の控除が受けられる。」など様々な特典があります。

なので、独立して事業をはじめたなら一人前の事業者の嗜みとして、青色申告の要件を満たした経理や確定申告を行なうべきなのです。

とはいっても、もし税務調査において「青色申告の承認は取り消し。」という指摘を受けると、

青色申告の様々な特典が取り消しとなり、追加で税金を支払うことにもなってしまいます。

特に「赤字の繰越が認められない。」などという場合には、

複数年度に渡って税金が課されることになるので、資金繰りが一気に詰まってしまうということもあるでしょう。


青色申告が取り消しとなる理由とは


事業を営んでいるのであれば、必須ともいえる青色申告での税金の申告。

とはいっても、青色申告には様々な特典が用意されている反面、青色申告の要件を満たしていない場合には、

「青色申告の要件を満たしていないから、取り消しとさせて頂きます。」というようなことを税務調査で指摘されてしまう場合もあります。

その青色申告の取消の理由となるのは、

  1. 帳簿書類の記録保存の不備
  2. 帳簿書類の記録に関して税務署長の指示に従わなかった場合
  3. 帳簿書類に記載すべき取引の全部または一部の隠ぺい、仮装記載、その他記載全体にその真実性を疑うに足りる相当の理由
  4. 無申告があった場合

などに該当すると場合となっています。

なので、青色申告の取り消しを受けないためには、「取引を正しく帳簿に記載し(会計ソフトに入力し)、その帳簿を保存する。」ということが必須だといえます。


昔は青色申告の取り消しの指摘も多かった


税務調査の調査官が手っ取り早くその調査で成果を上げるためには、

「青色申告を取り消しますよ。」という指摘をするということが、かつては頻繁にあったようです。

なぜ、青色申告の取り消しを行なうのかといえば「追加で税金を取れるから。」になります。

なので「うっかりした帳簿記入へのミス」や「経費における公私の混同とまではいえない事由」

そして「意図していない売上の計上漏れ。」がある場合にも、本来の取消事由を超えてこのような青色申告の取り消しを求めることがあったとも言われています。


青色申告が実際に取り消されることは少ない


税務調査があった場合に調査官から、

「この帳簿書類の状態では青色申告承認の取り消し事由に該当しますね。」

と言われたことがある方もいるかもしれません。

たしかに、青色申告には様々な特典がありその要件を満たすために、

「一定レベルでの会計入力や帳簿書類の保存。」ということなどが求められているものです。

だからといっても、実務上においては先程の4要件に該当することがあったとしても、

「青色申告が取り消される。」ということは少ないといえます。

なので「一定の努力をして会計帳簿を作成」しているのであれば、青色申告が取り消されるということをそれほど考えすぎる必要もないといえるものです。

もし、税務調査の際に「青色申告の取り消しだ。」と指摘をされたとしても、

「今後に向けて改善する。」ということを主張し、取り消しの回避に向けて動いてみるべきでしょう。