税務調査が実施されることになると「取引銀行」の銀行口座は、必ずと言っていいほど調べられることになります。
事業に銀行取引は必須
事業を営む上で「銀行口座を使わない。」ということは無理だといえるでしょう。
「売上の入金先に銀行口座を使う。」
「外注費などの経費の支払いに銀行口座を使う。」
などというように、銀行口座があることによって集金の手間などを省くことができるといえます。
また、銀行から融資を受けることによって、
「自己資金が貯まるまでの時間を省略すること。」ができますし、
銀行と融資取引をすることで担当者が付き、事業の相談に乗ってもらうことができるともいえるものです。
税務調査では銀行口座を調査することになる
税務調査が行われるとかなりの確率で調査官は、
「銀行に取引内容を照会し、その調査対象先の銀行口座取引を調べる。」ことになります。
調査官が銀行調査を行う際には「納税者にその旨を伝えてから行なう」こともありますが、納税者にはその旨を伝えずに行なうこともあります。
法人であれば決算書などの内容から事前に銀行口座を調べてくることもありますし、個人事業者であっても税務調査を行なうことで「取引銀行」というものを把握できるものです。
そして、その税務調査の一環として行なう銀行調査に関しては、国税庁と銀行協会との協定により銀行が拒むことはできないとされています。
なぜなら、両者とも財務省の管轄だからとも。
「どの程度の期間調べるのか。」といえば、
その取引銀行に対して取引を照会し、3年から5年程度遡って取引口座を調査官は調べることになります。
税務調査における銀行調査の要となるのは「取引履歴などに異常なものがないか。」だといえます。
たとえば、その銀行口座で事業とは関係性が薄い送金先、入金先などを調べ銀行に照会をすることになります。
すると調査官が入金先や送金先を照会することで、不正が芋づる式に判明することもあるといえます。
その銀行調査に関しては、預金取引だけではなく融資取引や手形、小切手の取引履歴なども観ることができるようになっています。
なので「税務調査の際には銀行取引はすべて確認される。」と考えたほうがいいでしょう。
事業とは関係ない個人用の銀行口座も調査される
「この売掛金の入金を個人口座に入れてほしい。」
などということを、事業を営んでいると考えることもあるかもしれません。
とはいっても、税務調査の際には法人の場合には役員個人の銀行口座、個人事業の場合には親族の銀行口座なども調べることがあります。
また、家族名義の預金口座なども確認することで、
「売上除外」などの不正な取引がないかといったことを確認しているものです。
なので「事業とは関係ない銀行口座に入金をされた事業資金。」などは、税務調査の際には把握されることになります。
このような銀行調査に関しては、
「税務調査を行ったうえで、不審な点があったから実施する。」
ということではなく「税務調査の一環として行われていること。」だといえます。
ましてや、事業とは関係ない個人の口座や親族の口座も調査されることになるので、
「事業用の銀行口座に入金させずに、個人口座にこの売上を入金させて欲しい。」
というような不正は、税務調査の際にはかなりの確率でバレることになるといえます。
このように「銀行口座は把握される。」といえるので、不正な取引は行わないようにしましょう。