「お盆が終わると税務調査が増える」などと聞いたこともあるかもしれません。
税務署には年間を通じた調査スケジュールがあり、そのサイクルの中で9月から年末にかけて調査件数が多くなったりするといえます。

事務年度の切り替え
税務署の人事異動は毎年7月に行われているといえます。
これは税務署の仕事の年度が7月に切り替わるからなのです。
この人事異動がおこなわれる7月から8月は、新体制での税務調査先の選定や分析に時間を使うことが多いそうです。
なので、7月は引継ぎや内部研修に時間が割かれるため調査する件数は少なめとなり、お盆休み明けから調査活動が本格化するといえます。
そして、納税者側・税務署側ともに休暇ムードが明けたお盆以降の9月から11月にかけて税務調査の実地調査が組まれやすいといったスケジュールが税務調査にはあったりするのです。
年末までに「実績」を積みたい
お盆明けに税務調査が急増するというよりは、税務署側の仕事の年度と納税側の事情がかみ合い、秋に税務調査が本格化していくといえます。
また、日本の企業は3月決算が多いため、5月や6月に法人税申告書が多く提出されることになるものです。
その内容を精査した税務署は「この会社は調査すべき」と判断して、実際に税務調査となるのがスケジュール的にもお盆明け以降になるという事情もあったりするのです。
さらには、税務署は年度ごとに「調査件数」や「追徴税額」といった目標があると言われていたりもするといえます。
そんな目標にある程度目安をつけるためにも「年末までに。。。」と、税務署の担当者の気合が入り税務調査の件数が増えていくともいえるかもしれません。
だからか「秋から年末にかけては、税務調査のピークタイム」などと、わたしもお客様に伝えていたりするものです。
年が明けると確定申告ムードになるため、税務調査の連絡も少なくなり、
もし年明けに税務調査の連絡が来ても「調査を4月以降にしてもらってもいいですか。。。」といった融通も通りやすくなるということもあるといえます。
証拠書類を揃えておく
とはいっても、すべての会社などが税務調査対象になるわけではありません。
たとえば、
・売上や利益の変動が大きい
・交際費や外注費など経費が多い
・同業他社と比べて利益率が低い
・役員や家族への給与・貸付が多い
・過去に指摘を受けたことがある
といった基準で税務調査先の選定を行ったりしているといえます。
ただ、税務調査は犯罪捜査ではないので、やってきたとしても慌てる必要はないものです。
「証拠書類や事実」が重視されるので、
「帳簿や領収書、契約書の整理」をおこなっておき「旅費規程や経理規程」「インボイス番号の収集状況や電子帳簿保存法の電子取引データの保存」などと改めて確認していくといいでしょう。
などということを税理士の方に相談しながら改めて事前準備をしておけば、不安を取り除いていくといいといえます。