学生起業をするならこれを意識しよう



はじめの手続き(期限に注意)


開業届を所轄の税務署に提出する

事業を始めたことを税務署に伝えなければならない書類として、

個人事業主で開業する場合には「個人事業の開業届出・廃業届出等届出書」を、法人で開業する場合には「法人設立届出書」を提出する必要があるといえます。

提出時期は

  • 個人事業の場合・・・事業の開始等の事実があった日から1月以内
  • 法人の場合・・・法人設立の日(設立登記の日)以後2月以内

青色申告承認申請書を提出する

税務上のメリットを享受するために青色申告の届出をおこなったほうがいいといえます。

  • 個人事業主のメリット・・・最大65万円の所得控除が受けられ、赤字の場合には3年損失を繰越ができる。
  • 法人のメリット・・・赤字の場合には10年間損失を繰り越すことができる。

提出時期は、

  • 個人事業主・・・青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2月以内。)
  • 法人・・・普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度の場合は、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで

青色申告承認申請書は、何があっても期限に遅れないように提出すべきだといえます。


役員報酬の設定:扶養・勤労学生控除・社会保険


法人をつくって起業する場合には、じぶんへの給与を「毎月定額」にしなければならないルールになっているといえます。

それも「期首から3ヶ月以内に決めた給与金額を決算月まで同額にしなければならない。」といったルールになっているのです。

そんなじぶんへの給与は役員報酬と呼ばれているといえます。

起業をすると「お金を稼ぐ」となるので、じぶん自身での税金の負担や社会保険料の負担をすることにもなるといえます。

そして、じぶんで稼ぐことによって親の税金や社会保険の扶養から外れることにもなるものです。

ただ、学生起業の場合には「全然稼げなかった。。。」という場合には、親の扶養に入り続けることができるといえます。

たとえば、年齢が19歳から22歳の場合には、

「役員報酬が年間150万円まで」ならば親の税金や社会保険の扶養に入り続けることができるので、学生起業をしたからといっても役員報酬の金額によっては、すぐに親の扶養から外れるわけではないといえます。

また「会社をつくって事業を始めた。」といっても、じぶんへの役員報酬をゼロ円にしていても問題はないものです。

なので、受け取る役員報酬の金額によって「親の税負担が変わる」「じぶんの税金や社会保険料の金額が変わる」といったことを検討しながらじぶんへの給与を決める必要があるといえます。


会社にするか個人事業にするか


「学生起業」といっても、個人事業主として始めるか会社をつくって法人として始めるかの選択肢があるものです。

事業形態が「BtoB取引」がメインで信用力が求められる場合には、法人としてスタートしたほうがいいといえます。

法人をつくる場合には「株式会社」と「合同会社」の2つがあるものですが、信用力を求めるのであれば株式会社の法がいいかもしれません。

株式会社は設立する費用に約30万円かかり、合同会社は約10万円なので金銭的には合同会社のほうが安く法人が設立できるといえます。

ただ、事業を始めてみると「なんだ合同会社なのか。。。」といった色メガネで見てくる会社もあったりするものです。

そんな「面倒くささ。」を払拭するためには、株式会社のほうが無難だったりするといえます。

わたしのように「合同会社だけど、文句あります?」というスタンスを貫けるのであれば合同会社も選択肢になるものですが、色メガネの面倒はあったりするからです。

また「個人事業主として始めてうまくいったら法人にする。」といったこともありだといえます。

税金的には「所得で800万円」あたりを超える見込みが立ったら法人にするというのもメリットがあるものです。

いずれにしても税金に関する手続きとしては、

「青色申告承認申請書だけは必ず提出する。」といった期限を意識して動いてみるといいといえます。