銀行融資残高が減っていることを喜んではいけない

銀行融資残高を減らすことだけを考えていくべきではないといえます。



返さなければならない銀行融資


銀行融資を受けるにあたって、手間に感じることのひとつ。

それは「借りたって返さなければいけないんだもんなぁ。。。」ということかもしれません。

「銀行融資を受けることを勧めて来るけど、どうせ返さなければならないんだし。。。」というのは、銀行員時代も税理士として活動しているいまも言われたりするといえます。

「銀行に毎期決算書を渡すのも手間だし。。。」とも。

たしかに、銀行融資は出資ではないのでいつかは返済をしなければならないものだといえます。

そして、出資ではないにも関わらず、

「出資者ばりに銀行員が事業に口出しをしてくる。」という煩わしさもあったりするかもしれません。

だからか「銀行融資はなるべく受けないようにして、借りたあとはひたすら返すことに集中する。」ともなったりするのでしょう。


融資残高よりも預金残高がKPI


「もうそろそろ、銀行融資残高もゼロに近づくので、せいせいしている。。。」といったことを考えたりもするかもしれません。

「これであの銀行員ともおさらばだ。」と。

そんな銀行融資残高が減っていっているときには「現預金残高」を合わせて確認していったほうがいいといえます。

「銀行から運転資金の融資を受けた直後は、月商の6ヶ月分の預金残高があった。」

「でも、いまは銀行融資の残高はゼロに近づいてきたけど、預金残高も月商の1ヶ月分もない。」となっていたりもするからです。

「現預金残高」というのは、事業の選択肢を広げる最大のツールだといえます。

「多くの現預金を持つことで、事業の不安が取り除かれる。」というのはコロナ禍でも感じたりしたものでしょう。

にも関わらず「銀行融資残高を減らすことが至上命題。」としてしまうのは、キケンだといえます。


融資取引がなくなると新規扱いで顔見知りの担当もいなくなっている


「銀行融資は完済したことで初めて評価されるんでしょ。。。」とも考えて銀行融資残高を減らしにかかっていたりもするかもしれません。

ただ、銀行というのは「融資を完済されるのは困る。」となる商売だといえます。

「完済することなく、借り換え続けて利息を永遠に支払って欲しい。。。」といった欲望を持った事業形態だからです。

また、銀行融資を完済してしまうと、

「新たに融資を受けようとしたら、過去の取引が忘れ去られていて、過去にも融資を受けたことがある銀行なのに新規の取り扱いを受けた。。。」ともなってしまうといえます。

なぜなら「銀行融資を受けている最中は担当者が付き、決算書を確認していくことになる。」という行為が完済してしまうとなくなってしまうからです。

「あの会社はうちとの融資取引もなくなったし、もう融資先リストから外しておくか。。。」と銀行員から忘れ去られていき、やがて支店からも忘れ去られていく存在になるのです。

忘れ去られてしまったので「初めてうちの銀行で融資を申し込んできた会社。」といった扱いになっていくといえます。

「以前、融資を受けていて、いまは完済しているけど、いま融資をしてほしいから、早く実行して欲しい。」といったことは無理なのです。

以前の融資取引は、忘れ去られているから。。。

なので、銀行融資取引というのは、

「現預金残高を減らし過ぎず、銀行融資残高も減らし過ぎない。」といったスタンスで付き合って行くべきだといえます。

そうすることで、急な融資の申込みにも対応してもらえることがあるといえますし、預金残高が保たれ事業の選択肢も増えていくことになるのです。


まとめ


「事業のKPI(重要業績評価指標)は銀行融資残高を減らしていくこと。」と考えすぎるのは避けたほうがいいといえます。