お寺の参道があるのに固定資産税がかかるのか(山門一体型ホテル訴訟で最高裁が逆転判決)

「お寺の参道(お参りするための道)なら、税金はかからないのでは?」

そう思うひとは多いかもしれません。

実際「宗教法人が本来の宗教活動のために使っている土地や建物」には、固定資産税がかからない場合が少なくないといえます。

ただ、寺院の山門と一体になったホテル・商業ビルに関して、最高裁は参道として使われている部分があっても「固定資産税はかかる」という判決を下したというお話を展開していきます。



どんな建物だったのか


今回問題になったのは、大阪市内にある「お寺の山門(正面の門)と一体になった商業ビル」です。

このビルにはホテルなどが入っていて、地下1階・地上17階建てとのこと。

ただ、1階から3階の真ん中部分は大きく空いていて、そこを通ってお寺の奥まで行けるようになっていました。

つまり「ビルの中にお寺へ行くための通り道(参道)があり、そこが参拝のための唯一の道」という特徴がある土地だったのです。

見た目にも機能的にも「参道」としての役割はしっかりある建物だといえるかもしれません。


何でもめたのか


争点になったのは、その「ビルの中にお寺へ行くための通り道(参道)があり、そこが参拝のための唯一の道」に固定資産税をかけていいのかどうかです。

宗教法人側の言い分は、ざっくり言うと。

「参道として使っている部分は、お寺のための土地なんだから、固定資産税はかからない(非課税)のでは?」

一方、大阪市側はこう考えました。

「この土地全体は商業ビルの敷地で、しかも第三者に貸している。だから課税するのが正しい」

そして裁判に。

  • 1審(地裁):大阪市の主張が認められ課税はOK
  • 2審(高裁):一部の土地は固定資産税が非課税の可能性あり(納税者側に有利)
  • 最高裁:高裁判決を取り消し、大阪市側が逆転勝訴

という流れだったといえます。


最高裁はなぜ「非課税ではない」と判断したのか


最高裁は「1階から3階までの中央部は、奥にある寺院に通り抜けができるように空洞となっている」ため参道として使われていたこと自体は認めながらも、最終的にはこう考えました。

「その土地の上には商業ビルがあり、土地全体が商業ビルの敷地として使われている。」と。

なので「参道としてだけ使われていたわけではない。」として、

「専ら(もっぱら)宗教のために使っている土地」には当たらない、と判断しその参道は固定資産税が非課税とならず課税となったのです。

「たしかに参道ではある。でもそれ専用だけじゃないよね。商業ビルにも使われているよね。」と。

「参道であることだけでは足りず、土地の利用実態全体として宗教用途専用かどうかが問われた。」という判断だったといえます。


まとめ


この最高裁判決は「参道として使われている部分があっても、土地全体の使われ方を見ると商業利用がある以上、固定資産税は非課税にはならない」という判断でした。

ひと言でいえば、

「税金の世界は、見た目や役割だけでなく、現実の利用実態で判断される。」ということ。

なので、税金の世界は「こう使ったことにする。。。」というのは、厳しい判断が下されるとも考えて確定申告をおこなっていったほうがいいといえます。