税務調査においては、
「調査官が資料のコピーを取りたい。」と依頼をしてくることがありますが、受け入れて問題ありません。
コピーの依頼があったら受け入れていい
税務調査においては、調査官は頻繁にメモを取るということをしています。
このメモは「コピーを取るという感覚で帳簿や請求書などの内容を書き写している。」ということもあります。
それとともに、資料を確認していくなかで追加で調べたい項目をメモしているということもあります。
また、メモ書きだけではなく「コピーを取りたい。」という依頼をしてくることがあります。
では、税務調査中にそのメモ書きやコピーを取ることを拒否できるのかというと、拒むことはできないこととなっています。
税務調査では帳簿や請求書などの資料は提示しなければならないという税法上のルールがあり、そのなかにはコピーを取るということも含まれています。
提示された資料をコピーするというのは、調査官にも事情があるということが考えられます。
その事情としては、税務署内で上司への報告に使うことや、疑わしい取引を改ざんさせないようにするということもあるでしょう。
資料などのコピーを拒否するとどうなるのかというと、調査官はその資料を書き写すということを行います。
そうすると、コピーをすれば数分から数十分で終わるところが、書き写すことによって1時間からそれ以上の時間を使うことになります。
なので、コピーを拒否して書き写すことを指示するという選択肢もあるようにおもいます。
とはいっても、書き写すことに時間を使うと、
「本来はその日で終了する予定だった税務調査が明日も臨場する。」
ということにもなり、税務調査の期間が延長する可能性もあるので、コピーの依頼は受け入れたほうがいいといえます。
コピーを取られると不利になるのか
税務調査において資料などのコピーを求められるのは、
「調査官の上司への報告や説明のために使用したり、帳簿などを後日改ざんさせないため。」に行なうともいわれています。
「コピーを求められるなんて、怖いこと。」
だと思われるかもしれませんが、税法のルールにはコピーが要求できるという解釈になっています。
「コピーを取られると不利になる。」
ということも考えることもあるかもしれませんが、コピーを取るというのは税務調査の通常業務の一環だといえます。
なので、コピーされるのが嫌だからとコピーを拒否してしまうと、調査官との関係性も拗れその後の調査もやりづらくなることもあるでしょう。
最近はコピー機やカメラを持参する調査官もいます。
ということもあり、じぶんのコピー機を使用させるのは拒否できるともいえますが、そこまでする必要はないでしょう。
無理にコピーを拒否して、調査官の心象を悪くする必要もないといえます。
税務調査というのは、問題点があった箇所のみが争われるというものではありません。
申告期間をトータルしたところが論点となり、結局は、
「追加で取られる税額が総合的に少なく抑えられればいい。」ということを考えて対応すべきなのです。
コピー代は貰っていい
コピー機を使用させると、「コピー代をお支払いします。」ということで、調査官から代金の支払いをするということがあります。
このコピー代の支払いが調査官からある場合には「貰っていいのかどうか。」
というように、じぶんのコピー機を使用させた場合にはその料金をどうするのかといった論点があります。
その際には、調査官がコピー代を支払うというのであれば、特に断る必要もありません。
コピー代を貰ったからといって、税務調査の方向がかわるということもないので素直に貰っておきましょう。