「趣味で節税。」にはならない

「趣味を節税にする。」

そのようなことは無理だといえるでしょう。



事業に係る経費だから節税になる


「いいよ。いいよ。この支払いを経費にするからじぶんが持っておくよ。。。」

というフレーズ。

この「経費」という言葉には、「支出する」という行為には変わりないにもかかわらず、何か魔法がかかったような感覚を持つこともあるものでしょう。

「いいなぁ。経費で落とせて。。。」と。

たしかに、事業所得や法人の税金などの話で言えば「経費」が多いということは「利益」が少なくなるので、支払う税金は少なくなるといえます。

税金の支払額というのは、

利益(所得) × 税率 = 税金

となるので、利益を少なくすれば税金の支払額は少なくなるということになります。

とはいっても、「経費」というものは「無差別に計上」できるわけではありません。

事業に関わるもの、つまり「売上に貢献するものであるため」経費にすることができるのです。

なので「経費の概念は曖昧だから、主張すれば何でも経費で落とせるでしょ。」というような論理は通用しないといえます。

あくまでも、100人が100人「これはどう見ても経費になるよね。」と認識できる支出だからこそ、経費とすることができるのです。

「100人のなかに1人でも「経費だ」と認めてくれる人がいれば経費になる。」というわけではありません。


趣味は経費にはならない


税金の世界においては、

「税理士も知らないとっておきの節税商品がある。」というフレーズは、バズワードのひとつだといえるでしょう。

あたかも「税理士なんてロートルよりも、我々の方が日本国家における税法を知り尽くしている。」という主張をしたい「自称専門家」という人もいるものです。

なので「税理士も知らない。」というバズワードが生まれることになるのでしょう。

「パンツ(下着)も経費になる。」

「土日に行なっているだけでも、それが継続して行なわれていれば事業所得になり経費を使える。」

「領収書さえあれば、とにかく何でも経費で落とすことができる。」

などというフレーズは、

「待ってました!見つけたぜ。。。」とばかりに待望している方々を喜ばすこともあるものでしょう。

とはいっても、事業に関係のない支出を経費にして確定申告をしたとしても「無税生活」というのはそれほど長くは続かないといえます。

いずれは税務調査というしっぺ返しを受けるものです。

また、趣味的な支出になるものを経費だと100人中100人に認めて貰うのは、不可能だといえます。

「趣味で節税。」

などということを言っていると「それは脱税だね。」などと、税務署の職員や税理士に指摘をされることになるでしょう。


節税を中心に考えている時点で儲からない


「お金を残すために税金の支払額を抑えたい。」という気持ちは、わからなくないといえます。

また、事業にとって必要な投資であれば躊躇なく行なうべきです。

「いま投資をすることで、将来何倍にもなって売上というリターンとして戻ってくる。」ということも少なくないでしょう。

とはいっても、「売上をつくるために投資をする。」という考えではなく、

「税金を支払いたくないから私的な支出も経費に入れ込む。」

などというようなことを考えていると、趣味にばかりお金を使い事業への投資が疎かになるものです。

事業を営んでいるのであれば「売上をどうつくるか。」ということに力を入れるべきで、

「どうしたら世の中にはない節税ができるのか。。。」などというところに、時間やコストをかけてもお金は増えないものです。

本当にお金を儲けたいと考えているのであれば、事業のための投資をする。

そして「100人が100人経費と認めてもらえるものに支出をする。」ということが必要だといえるでしょう。

毎期、税金を多額に支払っている事業者の方ほど「税金はいくら支払っても構わない。」という言葉を発するものです。

それが「趣味も経費にできる。」

などという行動を取っていると、本気で事業に投資をしている人とは圧倒的な差がついてしまうものだといえます。