個人事業主は自分への給与は経費になりません。
自分への給与は経費にならない
独立や起業をしてフリーランスや個人事業主になると、売上から経費を引いたものに所得税や住民税などの税金がかかるようになります。
その経費のなかには従業員などへの給与も該当します。
そこで、
「今年の売上は〇〇円だったけど、経費や自分への給与として渡した分を差し引くと、税金なんてかからないよね。」
ということを考えるかもしれませんが、自分自身への給与は経費になりません。
なので、「売上にかかった経費と自分への給与で税金なんてほとんどかからない。」
と思っていると注意が必要です。
所得税などの税金は、あくまでも「売上−経費(自分への給与以外)」をベースに計算されるからです。
家族への給与は経費になる
個人事業者になると自分への給与は経費になりません。
とはいっても、自分の事業を手伝ってくれている家族への給与は経費にすることができます。
たとえば、自分の家族が事業を手伝ってくれていたら、その家族へ給与を支給しようと考えるでしょう。
その家族への給与は、青色申告をしている場合には税務署へ、
「青色事業専従者給与に関する届出」
を提出することで経費とすることができます。
この青色事業専従者給与に関する届出には提出期限があり、その年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から2月以内)ということになっています。
もし青色事業専従者給与に関する届出を提出しなかった場合には、家族への給与を支給したとしても、自分への給与と同じく経費にはなりません。
自分への給与日は決めておく
個人事業者は自分への給与は経費になりません。
経費にならないので、事業用の資金をいつ引き出しても問題はなく、月に何回でも引き出してプライベートの支出に使うことも可能です。
とはいっても、このようなことをしていると、
「結局、自分はいくら稼いでいるのかわからない。」
ということが起こります。
「お金さえあれば、いつでも何度でも銀行から資金を引き出していい。」
となると、事業の資金管理もプライベートの資金管理も「わけがわからなくなってしまう。」でしょう。
なので、個人事業主の場合でも自分の給与日というのは決めておくべきです。
その給与日に決まった金額を事業用の銀行口座から、プライベート用の銀行口座に移すようにしましょう。
毎月、決められた日に資金移動をすることで「いくら稼いでいるのか。」が、わかりやすくなるはずです。
また、法人を設立した場合には「自分への給与は役員報酬として毎月決められた金額。」ではないとなりませんが、
個人事業主であれば、「売上の変動にあわせて金額を変えても問題ありません。」
資金管理で大切なことは、決められた日を自分への給与日として、その日以外は「何があっても、事業用の銀行口座からプライベートのお金を引き出さない。」
ということです。
独立や起業をして個人事業主となった場合には、
「自分への給与日を決めておく。」
これが、資金管理の大切な一歩です。