税務調査でメールの中身を見せてくれといわれたらどう対応すべきか

税務調査の際に「メールの中身を確認したいから、PCを渡してくれ。」

と調査官から依頼されても、そのPCを丸ごと渡す必要はありません。



PCは情報の宝庫


DXやデジタル化といわれる世の中では、メールのやり取りで業務の大半を行なっているということもあるでしょう。

また、会計ソフトや売上管理ソフトなど多くの業務はPCで行なっているものですよね。

このようなことを紙に手書きしていたのであれば、生産性も低くなり人件費などの人手もかかってくるので、事業にとっては無駄なことでしょう。

そのような事情もあり、税務調査に必要な情報というのも、紙ではなくPCの中身を見れば判明することも多くなっています。

なので、税務調査では調査官がメールなどの中身を確認することで、反面調査などをわざわざ行わなくても取引を補足できるようになっているといえるかもしれません。


調査官にとってPCの中身を確認できるのはありがたいこと


このような調査手法は、調査官に取っては効率のいい調査手法といえるかもしれません。

あらゆる情報がPC内にあるとすれば、税務調査官はわざわざ「紙に打ち出した総勘定元帳」を確認することよりも、

「PCの中身を確認するほうが手っ取り早い。」ということを考えるでしょう。

また、PCを確認することで、「取引の概要や不正の証拠をつかめる」といったことも期待できるのでしょう。

このような事情があるからか、最近では「税務調査の際にPCの中身を確認したがる。」

調査官というのが増えてきたような印象があります。

以前であれば、「売上除外」などは伝票や請求書などを破棄してごまかすことで、証拠が出てこないということもありました。

そのような時代であれば、資料せんや反面調査をしなければならず、真相は闇のなかということもあるものだったかもしれません。

しかし、デジタル化された現在では、メールなどを確認することでそのような不正が簡単に判明しやすくなったともいえます。


PCをそのまま渡してはいけない


「メールの中身を見せて欲しい。」

と税務調査の際に指示された場合には、メールなどの中身を見せるべきなのかというと、直接PCを触らせて見せることはやめるべきです。

調査官の指示を受けながら、じぶん自身がPCを触るようにしましょう。

また、そのメールを印刷するということで、PC上ではメールを見せないということも必要かもしれません。

なぜなら、そのPCというのは事業者の所有物なので勝手に触らせたりする義務はないからです。

あくまでも、「なぜメールを観たいのか」の理由を確認して、じぶんが手動で見せるようにしましょう。

もし、その際に「不正をしていないのであれば、PCを見ても問題ないだろう。」

というように反論されても、PCを渡す必要はありません。

「PCのデータが消されてしまったら、大問題になる。」といったことや、

「従業な顧客データなどの個人情報が入っているので、その情報が漏れてしまったら賠償問題になる。」

というように、PCを渡せない理由を説明していきましょう。

PCに関しては、まずは触らせないというスタンスで行くべきです。

必要なデータは適宜印刷をして渡すということで、問題ありません。

税法には、個々の取引に対して提示する義務があるとされていますが、PCを丸ごと提出しなければならないという義務はないので、毅然とした対応を取るべきです。