税務調査で発覚する売上の期ズレとは

本来は今期の売上として計上するものを、翌期の売上としてしまう「期ズレ」の問題。

期ズレは、長期的に見れば「税金の取り損ねも取り返したということもない」といえますが、税務調査では必ずチェックされることになるので慎重に対応しましょう。




売上の期ズレはひとつのポイントとなる


税金の計算は、会計期間が区切られている以上、適正な期間に売上や経費を計上しなければなりません。

その際に、本来は今期に計上しなければならない売上を、翌期に計上してしまうという会計期間の期ズレ問題というものがあります。

「売上が翌期にズレたからといっても、どうせ翌期に売上として計上するんだから問題じゃないでしょ。」

といったことを思うかもしれません。

しかし、税金の申告は会計期間で区切って行わなければならないので、期ズレが起こらないように慎重に申告書の作成をするべきです。

税金の申告書作成の際に、「今期はもう仕方がないから翌期の売上ということにしておくかぁ。」としていると、その翌期もまた期ズレが生じてしまうものです。

そんな期ズレとして、税務調査で調べられやすいのは、売上や仕入れ、在庫などです。

そして、その期ズレのなかでも、インパクトが多いのが売上の期ズレになります。

税務調査でも、調査官はまず始めに期ズレを調べるということもあります。

なかでも売上の期ズレは、わりと簡単に調べることが可能なものです。

売上の期ズレから調査がどんどん深くなり、申告書の全体の内容に不信感を持たれるということにもなります。

売上の期ズレとして注意すべきは、期末に出荷した商品の計上漏れや利益操作を行うためのあえての売上計上漏れ、従業員などの営業報告の確認漏れといったものなどが挙げられます。


期ズレが発覚した際には


売上の期ズレというのは、調査官としても修正申告や更正などを行なったとしても翌期にはそれが解消されるので、長期間で見れば税金を取り損ねた取り返したということにはなりません。

なので、税務調査の現場では調査官との話し合いで穏便なかたちで済むということもあります。

とはいっても、売上が単に期ズレだったというのではなく、意図的に売上の計上漏れをしていたといったようなことになると、重加算税などの処分が課されることもあります。

税務調査では、期ズレはわりと簡単に判明します。

そして、期ズレの調査を入り口として本来の目的となる深部に入っていくこともあるので、期ズレに対しては慎重に計算をすべきです。

所得税や法人税などの計算は、一会計期間の売上から経費を差し引いて、その所得に税率をかけることで金額が確定するものです。

申告書を作っている最中の期末近い売上の計上漏れが見つかったけど、

「もう数字を確定させてしまったから翌期の売上にしてしまおう。」ということはやめましょう。

税務調査では各年度の所得は、かなり厳格に期間計算をすべきだとして、計上時期の恣意的な操作は認められないといったことになっています。