相続税に関連した必要書類とはどのようなものか

相続が起きた際には、財産などを把握するために様々な書類を探し場合によっては取り寄せる必要があるものです。

そのような相続税に関連した必要書類を挙げていきます。


目次


相続税の申告のためには書類を確認していく


四十九日の法要後からは相続人の方の財産や負債などを把握し、

「相続税の申告の必要があるか。」といったことを確認していく必要があるといえます。

そのような書類は、相続税の申告を行う際にも税務署へ申告書と合わせて提出をしなければならなかったりするものです。

そして、手続きを便利にする「法定相続情報一覧図」を作成するためにも必要となる書類なので必要書類を確認しておくのも賢明だともいえます。


役所や金融機関で取り寄せる書類


それでは役所や金融機関から取り寄せる書類を挙げていきます。

市区町村の窓口で集める必要があるもの

戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍情報。

被相続人の法定相続人を確定させるために必要となり本籍地の役所に直接行くか、郵送で戸籍謄本を取得することができます。

また、結婚などにより転籍している場合には以前の本籍地の役所にも戸籍謄本を請求するもあります。

さらに、現在の戸籍(除籍)謄本に引き継がれていない古い情報は、改製原戸籍謄本というものを取得する必要があります。

相続人全員の現在の戸籍謄本

本籍地の市区町村の窓口で取得する必要があります。

戸籍の附票の写し

相続時精算課税制度や小規模宅地等の特例(親が高齢者施設などに入られている場合)を使う方のために必要となる書類。

戸籍に記載されている方のこれまでの住民票の移り変わりを記録したもので、戸籍と同時に取得することをおすすめします。

住民票の除票

亡くなったことによって住民登録から除かれたことを証明する書類です。

法定相続情報一覧図を作成する際にも必要となり、本籍地の市区町村の窓口で取得することができます。

相続人の印鑑登録証明書

遺産分割協議書の作成に必要となるので市区町村の窓口で取得しましょう。

銀行や信用金庫の窓口などで集める必要があるもの

銀行口座の残高証明書

死亡日当日のものが必要となります。

銀行口座の既経過利息計算書

こちらも死亡日当日のものが必要です。

銀行口座の取引明細証明書

過去7年分程度の取引を確認するために必要となります。

相続人の方の銀行口座の取引明細証明書

こちらも過去7年分程度の取引を確認するために必要となります。名義預金の調査の確認のため被相続人の方だけではなく相続人の方のものも必要となります。

建物更生共済の解約返戻金相当額等証明書

被相続人の方が農家や農地を持っている場合にJAグループに確認を取ります。

預金通帳

被相続人と相続人全員分の過去7年分程度の預金通帳。

もし見当たらない場合には上記の「取引明細証明書」を銀行に発行してもらいます。

証券会社などで集めるもの

証券口座の残高証明書

死亡日当日のものが必要です。

有価証券取引残高報告書、上場株式配当等支払通知書

証券会社から郵送で届く書類になります。

もし手元にない場合は、証券口座の「預り証明書」を証券会社に請求することで取得が可能です。

出資証券

信用金庫や農業協同組合、生活協同組合、森林組合などの組合員になっていた場合には必要となります。

保険会社の窓口などで集める必要があるもの

生命保険金支払通知書

死亡保険金を受け取った際に保険会社から郵送で届く書類になります。

解約返戻金相当額等証明書

被保険者より先に契約者が亡くなってしまった家族がいる際に必要となる書類です。

保険給付金支給決定通知書(入院給付金・手術給付金)

もし、入院や手術を受けた後に保険会社に給付金の申請をせず亡くなった場合には保険会社に請求します。

「死亡保険金」と「入院給付金」が合算されて支払われる通知が届く場合もあります。

高額療養費支給決定通知書

健康保険加入団体より郵送で届く書類になります。

企業年金の未支給部分の書類

会社員時代に企業年金に入っていたひとの場合には勤めていた会社に請求します。

民間の個人年金保険の未支給部分の書類

該当する場合には保険会社に請求しましょう。

保険証券

契約者、被保険者、受取人、保険金の金額が分かる書類がご自宅にあるはずです。

法務局の窓口などで集める必要があるもの

不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)

ご自宅や収益物件を所有・不動産を共有していたなどの場合に法務局で取得します。

土地、家屋の固定資産税通知書(課税明細書)

毎年6月頃に自宅に届く書類です。

もし、手元にない場合は市区町村の窓口で「固定資産税評価証明書」か「土地家屋課税台帳」を取得する必要があります。

権利証・地積測量図・建物図面

土地を購入した際や相続した際に法務局から交付された書類です。

賃貸経営の賃貸借契約書

アパートやマンションの賃貸経営をしていた場合の賃借人と結んだ賃貸借契約書。

土地の賃貸借契約書

貸し手の場合には借り手との賃貸借契約書。借り手なら貸し手との賃貸借契約書。


ご自宅等で探すもの


主にご自宅で確認する書類を挙げていきます。

税金関連の書類

確定申告書

亡くなられた方が個人事業主の場合には確定申告書を過去3年分程度確認します。

相続時精算課税制度選択届出書

相続時精算課税制度を利用していた場合に必要となります。

贈与税申告書、贈与契約書

生前贈与を利用した場合に必要となります。

障害者手帳

障害者控除を使う場合に必要です。

高齢者施設入居時の申請書や介護保険被保険者証

小規模宅地等の特例を使う際に必要となることがあります。

国税還付金振込通知書、過誤納金還付通知書

払い過ぎた税金がある場合に税務署から郵送で届く書類になります。

税金の支払いに関する通知書

死亡した年の支払い済みの所得税や住民税、固定資産税の通知書。

支払い関連の書類など

住宅ローンの残高証明書

住宅ローンがある場合で金融機関から毎年「残高証明書」が届きます。手元にない場合は銀行に請求しましょう。

金銭消費貸借契約書

個人間でお金を借りている場合。

病院からの請求書

医療費の未払い金があるかどうかを確認します。

公共料金の猜求書

電気やガス、水道代、携帯電話料金やインターネット料金などの未払い金を確認します。

高齢者施設からの請求書

施設利用などの未払い金の確認するために必要です。

その他確認した方がいい書類

葬儀会社の領収書か請求書

葬儀費用、火葬場にかかる費用、納骨費用などの葬儀会社発行のもの。

葬儀関係の支払いがわかるメモなど

御布施や戒名代、心付けなどは支払い日と金額、相手先の所在地、名称、これらが分かる資料が必要となります。

死亡退職金の支払明細書

相続人が会社員だった場合に勤務先から届く書類です。

車の車検証

車の中にあると思います。

書画、骨董品、貴金属、宝石の鑑定書

著名な方の作品や高価な宝石の鑑定書があれば必要となります。

ゴルフ会員権証書

加入している場合。

金地金の納品書・計算書

金などを持っている場合。

法人の決算書

亡くなった方が会社の社長だった場合。

未収給与・未収家賃・未収地代

死亡前に受け取ることが確定していて、亡くなった後に銀行口座に入金される場合。

高齢者施設からの支払通知書

死亡により契約が一定期間内で解除された場合には、支払った入居一時金から償却金を控除した残額が高齢者施設などから返金されます。

マイナンバーカードなど

相続税の申告書には、相続人全員のマイナンバーカードのコピー(表裏)かマイナンバー通知書のコピー(表)が必要となるので用意をしておきます。