「遺産分割を急がなきゃ。。。」などと焦る必要もないものです。
遺産の把握は四十九日法要後からでいい
相続が起きた際に相続税の申告をしなければならない場合には、
その申告期限は「相続があった日(被相続人が亡くなった日)の翌日から10ヶ月以内。」に行わなければなりません。
その相続税の申告をしなければならない場合というのは、相続税の基礎控除額を遺産額が超えている場合になります。
相続税の基礎控除額 3,000万円+相続人の数×600万円
そして、相続税の10ヶ月後の期限というのは「意外に早く訪れてしまう。」ともいえるものです。
とはいっても、遺産分割は焦ることなく四十九日の法要や納骨、香典返しが終わってから行なっていきましょう。
なぜなら、被相続人の遺産を正確に把握するためには少なくない時間を要するからです。
「これで財産は全部確認できたよね。。。」と感じていたとしても、
「あの証券会社にも口座があるっぽい。」などということは遺産を把握している最中にもあったりするといえます。
相続があった数ヶ月後にも財産となるものが出現する
遺産を把握していく段階で「被相続人の方が亡くなってから数ヶ月後に見つかる財産。」といったものも少なくないものです。
たとえば、高額療養費制度を使った際の還付金や介護保険の過誤納還付金などが相続後の数ヶ月先に入金されたりもするといえます。
このような「亡くなったときに財産ではなかった。」といったものも、相続財産となり相続税の対象になったりするものです。
また、遺産を確認していくなかで、
「借金や病院、施設への未払金、クレジットカードの未引き落とし分、葬儀費用」などの負の財産が見つかることも少なくないといえるかもしれません。
負の財産などは「相続財産の金額から控除することができる。」ので、
これらの負の遺産を把握することなく遺産分割をしてしまうと、相続税の支払いなどでも不利益を被ったりもするものです。
なので「相続時には財産となっていないもの」や、
「負の財産として把握していないもの。」を確認しないまま遺産分割を行なってしまうと、もう一度遺産分割をやり直すなどの手間を要してしまうことも起きてしまうといえます。
10ヶ月間あることを認識しておく
「遺産分割を行うべき期限。」というのは、本来はないといえます。
とはいっても「相続税の申告をしなければならなかった。。。」などと、
無申告を避けるためには、相続税の申告期限となる10ヶ月の期間は意識したほうがいいものでしょう。
さらには、遺産分割を行なった後に「相続税の申告書をつくる。」となるので、
10ヶ月よりも少し早めの7ヶ月目から8ヶ月目あたりを遺産分割をまとめる期限としてもいいものかもしれません。
たしかに、遺産分割というのは相続人全ての方に対して連絡をしなければならないので、
「集まるタイミングは今日しかないから。。。」などと、慌てて遺産分割を行ないたくなる気持ちもわかるものです。
ただ「遺産分割を行なった後に財産が見つかった。」となると、相続人の方のなかには気分を害すひともいたりするものかもしれません。
なので、遺産分割は「すべての遺産を把握してから。」ということを相続人全員の共通理解として促して、
「何度かに渡って遺産分割の話し合いをする。」というスタンスでいくと、遺産の確認漏れがなくなるといえます。