銀行などから融資を受けたことによる返済。
利息部分は経費になりますが、元金部分の返済は経費となりません。
事業を営んでいるなら銀行融資を利用するのはあり
「無借金経営。」
という標語を事業の理想郷だと考える方もいるかもしれません。
たしかに「必要のない借金。」というのは、すべきではないといえるでしょう。
とはいっても、無借金経営を目指して「資金繰りがいつもぎりぎりの状態。」という事態は避けるべきです。
なぜなら、じぶんの商品やサービスを広めるために事業を営んでいるにもかかわらず、
無借金経営を追いすぎてしまうと、資金繰りが本業となってしまうからだといえます。
なので、事業というのは「借金」をしてでも資金繰りに余裕を持たせ、資金繰りに追われないように銀行融資などを受けるべきなのです。
借入金の元金返済部分は経費にならない
銀行などからの借入金を返済する場合には、その返済の内訳は「元金と利息」に分けられることになります。
「この元金と利息は、支出してるんだから経費になるよね。」
と考えることもあるかもしれません。
しかし、利息は経費になりますが元金は経費とならないのです。
なので、元金を経費としてしまうと「知らない間に脱税をしていた。。。」ということも起きてしまいます。
「同じように支出しているのに、なぜ元金部分が経費にならないのか。」
といえば「借りたときの借入金は収入になっていない。」からだといえます。
たとえば、借入における仕訳というのは、
現金預金 / 借入金
となるので、
現金預金 / 売上
というように「お金を貰ったから売上にする必要がある。」ということにはなりません。
すると、借入金の元金を返済するときには、
借入金 / 現金預金
という考え方になり「借りたものを返しただけ。」ということで、経費にはならないといえます。
このように借入における利息というのは「お金を借りたことによる必要経費。」となるので、経費になります。
「借入金の返済元金は経費にならない。」
というのは、相手が銀行でも銀行以外でも変わらず経費にはならないのです。
黒字倒産の原因のひとつは借入金の返済が多いから
「損益計算書は黒字なのに、いまいちお金が貯まらない。。。」
と感じている事業者の方も少なくないでしょう。
「黒字というのは儲かっていることのはずなのに、なぜお金が貯まらないのか。」
という理由のひとつには「借入の返済元金が多かったから。」だということもあるといえます。
「黒字や赤字」をわかりやすくするためには、本来は支出したものはすべて、
支出 = 経費
となればいいのですが、会計の世界では、
支出 ≠ 経費
というようなものもあるものです。
そのうちのひとつが、借入金の元金返済部分となります。
この借入金の元金返済部分が多いことによって、
損益計算書は黒字なのにお金が足りず、税金が払えないということにもなるといえます。
なので「借入金の元金返済部分は経費にならない。」ということを認識し、
黒字倒産を避けるため銀行融資は「折をみて借り換えていく。」という姿勢が、事業戦略上必要となります。