金利上昇に備える銀行融資の考え方



金利は上昇局面にある


長らくゼロ金利やときにはマイナス金利となっていた日本の金融市場。

ただ、近年は「実質金利がマイナスに陥り、物価も上昇し、円安が続いている。」という状況から金利が付く世界になったといえるでしょう。

日本銀行が「政策金利を0.75%へ。」というように30年ぶりの高金利になってきたともいえます。

だからか「預金金利も上がっている。」という実感もあったりするかもしれません。

「政策金利を上げていったほうが日本の景気は良くなる。」

「なぜなら、家計部門には1,000兆円単位で預金があるため、利息収入が増えることで消費が刺激されるから。」とも言われたりもする結果だともいえます。

「政策金利を1%にするだけでも、家計には10兆円もの利息収入が入ってくる。」と試算できるからなのでしょう。

なので、資産運用に関して「政策金利の上昇」は悪いことではないといえます。

とはいっても、銀行から受けている融資も政策金利の上昇によって金利が増えてくるものです。

「支払利息の負担が重くなってきた。。。」という世界にもなってくることが予想されるともいえます。


借り換えで金利は上昇する


「銀行融資の返済負担を下げる方法は。。。」といえば、借り換えだったりもするものです。

「他の銀行で肩代わり融資を受けて一本化する。」

「銀行間を競わせて、最も金利の低い銀行で旧債決済する。」

「ちょっとだけ増額し、返済期間を伸ばして借り換える。」などというのは、銀行員からも提案されるものかもしれません。

などというような借り換え融資。

金利上昇局面では「借り換えたことによって金利負担は増える。」といえるでしょう。

なぜなら、銀行融資の金利はそのときの政策金利にある程度連動してくるからです。

「日銀が利上げしましたけど、御社の金利は据え置きです。」というよりは、

「利上げした結果、当行の基準金利も上がっていまして。。。」となる可能性が高いからだといえます。

また、金利が上がらなかったとしても、

「返済期間を短くして貰っていいですか。。。」といった提案を銀行員もしてくるかもしれません。

銀行融資の金利というのは返済期間が長ければ長いほうが高くなるので、金利を低くするために返済期間を短くすることを求められるのです。

なので「借り換えすると銀行融資の金利は上がる。」と考えておいたほうがいいといえます。


固定金利を選べるなら固定金利を選択する


銀行融資の金利は「金融市場に連動する。」といえる変動金利と「当初の取り決め通り一定。」となる固定金利があったりするものです。

通常は変動金利のほうが固定金利よりも金利は低いものですが、

金利上昇局面においては「あのとき固定金利で融資を受けておいたほうがよかった。。。」となることもありえるといえます。

なので、変動金利と固定金利を選択できる場合には固定金利を視野に入れてきましょう。

融資商品によっては「固定金利から変動金利に変更はできるけど、変動金利から固定金利には変更できない。」というものもあったりするものです。

また、設備投資における設備資金は「固定金利を選択しておく。」としたほうがいいともいえます。

設備資金は運転資金よりも借入期間が長期になるため、金利上昇時の影響を受けやすいともいえるからです。

だからこそ、銀行員に対して、

「変動金利の場合と固定金利の場合のシミュレーションを出して。」と伝えてみましょう。

腕のいい銀行員であれば、いくつかのパターンを想定してくれるものですし、今後の金利動向に付いてもアドバイスを受けられたりするといえます。


まとめ


「金利に無頓着な時代ではいられなくなった。」と考えて、銀行融資を受ける際には金利にもシビアになっていきましょう。