「会社員の税金を副業のミュージシャン業の赤字で取り戻す。」際の確定申告における300万円の壁

「会社員(本業)の税金を副業のミュージシャン業の赤字で取り戻す。」といったことは、要件があるので難しいといえるものです。



副業でのミュージシャン


生きるためのひとつの糧としてミュージシャンをおこなっているかたもいるものでしょう。

そんなミュージシャンという仕事を「副業のひとつ」としておこなってる方もいるものかもしれません。

「会社員とミュージシャン。」

「不動産オーナー業とミュージシャン。」

「税理士とミュージシャン。」などと、様々な事業の副業としてミュージシャン業を営んでいるよといったように。

そのような際には、確定申告が必要になるといえるものです。

「会社員だから。」といっても、

ミュージシャン業を副業として営んでいる場合には、会社から貰った源泉徴収票とミュージシャン業で計算したものを合わせて確定申告をおこなう。

「不動産オーナーだから。」という場合には、不動産所得となる不動産オーナー業とミュージシャン業を計算して確定申告をおこなう。

税理士業の場合にも税理士業とミュージシャンとして稼いだ金額を計算してといったように。

なので、副業をしている場合には「じぶんで税金の計算をして確定申告をする。」ということが必要になるといえます。


ミュージシャン業が赤字なら節税に。。。


「副業のひとつとしてミュージシャンをおこなっている。」という場合。

そのミュージシャンとしての収入を、確定申告をおこなう際のどの所得に分類するかを悩まれたりするものかもしれません。

所得税の確定申告をおこなう場合の「どの所得に分類されるのか。」は、所得の性質に応じて10種類に分かれるのです。

そんな10種類の区分のうち、ミュージシャンとして稼いだ収入は「事業所得か雑所得。」が候補に挙がるといえます。

事業所得と雑所得では「事業所得のほうが確定申告をおこなう際には有利。」だといえるのです。

  • 青色申告特別控除という所得控除(経費のようなもの)が最大65万円使える
  • 30万円未満の楽器などが一括で経費にできる
  • 赤字となった場合には、その赤字金額を他の所得(給与所得など)から差し引くことができる

などといった強烈なスリーピースバンドのような個性を、事業所得で確定申告をおこなうと発揮できるといえます。

なので「ミュージシャン業を赤字にして会社員として天引きされた税金を取り戻す。」

「不動産オーナーとして支払うことになる税金をミュージシャン業の赤字と相殺する。」

「儲かりすぎた税理士業の税金をミュージシャン業の赤字で相殺する。」

といったような節税テクニックを、ミュージシャンとして稼いだ金額を事業所得してみると使えたりするのです。


ミュージシャンとしての収入が300万円以下なら雑所得


「赤字をつくって節税を。。。」ということができる「ミュージシャン業を事業所得として確定申告をする」といったこと。

たしかに、事業所得というのは、

「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」となるので、ミュージシャンをおこなっている場合にも事業所得に該当するものだとはいえます。

とはいっても「事業所得に該当する」と認められるためには、

  • 継続性・反復性:一時的ではなく、継続的に営まれている
  • 営利性:利益を得る目的でおこなわれている
  • 独立性:自己の計算と責任に基づいておこなわれる

という客観性が必要とされているとともに「事業といえる程度の規模」といったような隠れ売上要件もあるのです。

そんな売上要件の目安金額が「年商300万円を超えているかどうか。」といった要件があるといえます。

「その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得に係る収入金額が300万円を超えない場合には、特に反証のない限り雑所得に該当するといったような隠れ要件が。。。

なので、副業でミュージシャンをおこなっている場合には、

「ミュージシャン業の売上が年商で300万円を超えていなければ雑所得で確定申告をする。」となるといえるのです。

「適正な帳簿を記載している場合には収入金額に関わりなく原則として事業所得とできる。」とも聞いたことがあるかもしれませんが、

「帳簿書類があったとしても概ね3年程度収入金額が300万円以下で、かつ、本業の収入の1割未満の場合や何ら改善努力も見られず赤字が続いている場合」には、雑所得になるという隠れ要件があるのです。

「副業のミュージシャン業の直近3年の売上高が300万円を超えない。」

「ミュージシャンとしての売上が本業の収入の1割未満。」

「毎回赤字。」という場合には「本業の税金をミュージシャン業の赤字で取り戻す。」といったことはできないといえます。

「税務署に確定申告書は無事に受け付けられた。」といっても、いつかは指摘されてしまうと考えがほうがいいでしょう。