宗教法人だったとしても宗教法人から給与を受け取ったら税金はかかる

「宗教法人だから受け取った給与も非課税でしょ。。。」とはならないものです。



株式会社や一般社団法人はほぼすべて課税


株式会社などを経営していると、

「この売上には法人税がかからない。」という事例はほとんどないといえるものです。

また「一般社団法人」という名前の組織であったとしても、

「売上に法人税がかからない。」

ということではなく税法の収益事業(言ってみればほとんどの収入がこれにあたる)を行なっている限りは、法人税が一般的な株式会社と同じように税金がかかるものです。

だからか「一般社団法人をつくれば法人税はかからない。」というような感覚で一般社団法人を設立して事業を営むと、フツーに法人税や消費税などの税金はかかることにびっくりするかもしれません。

そして、株式会社や一般社団法人から給与を受け取った場合にも受け取った個人には所得税や住民税などの税金がかかるのです。


宗教法人の売上は非課税のものが多い


「宗教法人に課税すれば税収が1兆円は増える。」といったことを聞いたひともいたりするものでしょう。

「なぜ、このようなことを言われるのか」といえば、宗教法人の売上には法人税がかからない非課税のものが少なくないからだといえます。

たしかに、駐車場経営や不動産賃貸などの売上には法人税がかかるものですが、

  • 寄付金・喜捨金
  • 祈祷料・御祈祷料
  • 墓地使用料・管理料
  • 法要・葬儀の施行料
  • 信者会費
  • 御守・お札などの頒布収入
  • 宗教教育に関する授業料
  • 宗教活動に関連する出版物の販売収入

などといった売上は「お金を貰っているにも関わらず」法人税がかからない非課税の収入となるのです。

「えっ、本を出版しているのに非課税。。。」

「お守りやお札を販売しているあの行為にも法人税がかからないの。。。」といったことを税理士業に携わり始めた頃に感じたものです。


宗教法人でも給与を受け取ったら税金はかかる


「宗教法人の売上のほとんどは非課税。」といっても、

宗教法人から給与を受け取った場合にはその受け取った個人には所得税や住民税などの税金がかかるものです。

なぜなら「受け取ったひと」は宗教法人ではなく、全く別人格の個人だからだといえます。

そして、この給与には「ここにただで住んでいいよ。。。」とった住居費なども現物給与として課税されるのも一般的な株式会社と同じ扱いだといえるでしょう。

さらには「お守りやお札がめちゃくちゃ売れてお金があり余っているから、ちょっと貰っちゃお(使い込んじゃお)。」といった宗教法人のお金を資金流用した場合にも「給与」として税金がかかるものです。

なので、給与の取り扱いは株式会社などと同じ取り扱いになるといえますし、会社のお金を使い込んだ場合にも同じように個人に税金がかかるといえるので注意が必要だといえます。

宗教法人だったとしても「給与課税」目当ての税務調査が行われることがあったりするからです。