「保険で法人税の節税を。。。」などという考えはやめていきましょう。
税金を支払うことは悪ではない
「税金って高すぎじゃない。。。」
「政府がお金をばら撒いてもそのうち増税するんでしょ。」
「ばら撒くならその予算を使ってもっと人々が稼げる国家創りをしていこうよ。」といったことを思わないでもありません。
また「今回の法人税と消費税の金額はエグいほど高いなぁ。」といったことを税理士として携わっていると思わないでもありません。
なので「税金対策を考える。」ということはありだといえるものです。
「来期に必要なものだけど、利益が多めに出ているから今期に買う。」などというのは、税金対策としても事業を営むうえでも必要な行動だとはいえるものです。
売上をごまかす節税は脱税
「節税を。。。」と考えたときにやってはいけないことのひとつが売上をごまかすということ。
「この現金売上はなかったことにする。」
「本当は今期の売上だけど、翌期に売り上げたことにする。」
「売上代金の一部を会社の口座に入れないで、個人口座に入れて貰う。」というのは、売上が正確な金額よりも低くなるので税金の支払額は低くなるものでしょう。
とはいっても「売上をごまかす。」というのは脱税だといえますし、税務調査でさっくとバレてしまうものです。
「実は売上をごまかしていて。。。」と相談があり税務調査の対応をする際には、ごまかしている売上を確認するための調査になっていたりするのです。
などというような黒い話ではなく「保険を使って税金の負担を低くしたい。」という欲望はあったりするものかもしれません。
そんな「賢い社長はみんなやっている。保険で節税を。。。」などということはやってはいけないものだといえます。
保険で節税は割に合わない
「保険で節税。」の大まかな仕組みは、
「保険掛け金の一部が経費になることで法人税の負担が減り、さらにある時期にその保険を解約すれば解約返戻金としてお金が戻ってくる。」といったものだといえます。
「なぜ、保険が節税になるのか。」
といえば、保険料という経費が生じることになる、単純にいえば経費が増えたということです。
それとともに節税のために保険に入るメリットが「保険を解約したら保険金としてお金が戻ってくる。」のでお得感を得られるといったものでしょう。
だからか「保険で節税を。」というセールストークには「掛け金が経費になりさらに簿外で資産運用もできますよ。」というものがあるのです。
とはいっても、保険で節税などは愚の骨頂だといえます。
たしかに「今期の法人税をなんとか減らしたい。」というのであれば、保険料として掛け金の一部が経費なるので保険に加入する前と後では支払う法人税は変わってくるでしょう。
ただ、事業というのは「資金を運用する。」といった性格を発揮するもののひとつの形態なのです。
にも関わらず、そこそこ多額のお金を「保険料」などというものに固定化していると、本来儲けられるチャンスを逃しているともいえるのです。
「1,000万円の保険料を毎期払うから法人税が安くなる。」といっても、ホンモノの事業家であれば1,000万円を保険料に使わずに事業に投資をしたほうがお金は増えるでしょう。
「お金を増やすことができなければ、その投資は避けるべき。」というのが事業の鉄則なのです。
「保険で節税になった分はお金が増えたと考えていいんじゃ。。。」といっても、
節税した分以上のお金が社外に流出していますし、解約返戻金として保険を解約して戻ってきたお金には法人税がかかるので、会計期間を長期で見れば節税にはなっていないのです。
ましてや「掛け金の85%しかMAXでも返ってこない。」という保険商品であれば、使った金額の15%も損をしているのです。
「損をしよう。」と考えて、事業を行うことがあるでしょうかと。
少なくとも「儲かる可能性があるからこの事業に資金を投資する。」というのが事業経営だといえるでしょう。
「支払った金額の資金が毎期固定化され。」
「支払った金額の全額が経費になるわけでもなく。」
「解約して戻ってきた保険金は元本割れ。」
「その保険金には税金がかかる。」という仕組みに気がつくべきです。
さらには「節税保険。」などと謳われているものには、
「法律の変更で節税にならなかった。」ということも起こっているのです。
「節税になるかどうかのルールは、国税庁が握っている。」とも知っていれば、そのような勝手にルール変更がされる勝負は避けるべきだと気がつくでしょう。
資金が長期間固定化されてしまうデメリットに事業を営んでいるならもっと目を向けていくべきです。
それこそ「保険で節税。」には、消費税の節税効果なども一切ないものですから。