「同じ支出だけど事業とプライベートで経費を按分している。」といったことも個人事業主の場合にはあったりするもの。
そのような家事関連費は、税務調査でのキーワードとなったりするので明確なルールを設けるべきだといえます。
経費を按分することは可能
100人中100人が「それは間違いなく事業の経費になるよね。」といったものが、個人事業主が確定申告を行なう際の経費計上の目安だといえるかもしれません。
そのような経費となるものの支払いには、
「事業とプライベートで共用しているもの。」といった支出があったりするものでしょう。
たとえば、個人事業主が自宅を自宅兼事務所としている場合には、
家賃の支払いのなかで「プライベートな部分」と「事務所として使っている部分」をわけて、事務所分の家賃を経費にすることには大きな問題がないといえるものかもしれません。
「3部屋あるうちの1部屋を事務所として使っている。」というのであれば、家賃の支払金額のうち1/3を経費にすることは理にかなっているといえます。
また、水道光熱費なども事務所分となる金額は経費にすることも客観的な説明ができるといえるかもしれません。
なので「支出はひとつだけど内容に応じてプライベートと事業で按分して経費にしている。」といったことだけでは、税務調査で大きな論点にはならないといえます。
家事関連費を経費にする場合にはルールが必要
ひとつの支出のなかで、プライベートなもの(家事用)と事業用の両方に関わりがあるものを「家事関連費」などと呼ばれたりすることがあるものです。
この家事関連費には「恣意性」が含まれてしまうと、
税務調査でも指摘されてしまうポイントとなってしまうので、通常の経費の支払いよりも注意をする必要があるといえます。
たとえば、自宅の一部を事務所としている場合には、
「経費とする金額を毎月変えてしまう。」と所得に応じて経費を操作していると税務署の調査官にみなされてしまうので「一度決めた金額を変えてはいけない。」とルールを決めておくべきです。
また、友人との事業上の打ち合わせで飲食を含めて行う場合にも、
「事業の話をした1次会の金額だけを経費にする。」といったルールも必要だといえます。
その場合には、じぶんが支出した金額のみを経費とするべきで、
友人が支払った部分のものまでも「領収書があるから。」経費とするのはやめておくべきでしょう。
さらには、2次会などに行ったもののうち経費としなかった領収書なども保管をして、
税務調査の際に提示することで「家事関連費のルールをきちんと決めている。」というスタンスを示すと大きな論点とならないといえます。
家事関連費を使っての赤字申告は税務調査の確率も上がる
個人事業主は、事業とプライベートの境目が曖昧だったりすることもあるものです。
なので、支出に応じて「これは経費だから。。。」と本来はプライベートなものまでも経費にしてしまうことがあるものかもしれません。
たしかに、税務調査というのは「実地調査に入るからには追加で税金を取りたい。」といった思考で調査官がやって来るので、所得が低く取れそうな税金がない場合には入る確率は低いといえるかもしれません。
とはいっても、家事関連費といわれるような「プライベートなものなのか事業のものなのかが曖昧。」とされる支出を積極的に経費にして赤字申告としている場合には、税務調査の確率も上がるものだといえます。
「プライベートな支出だけど事業の経費だと言い張れるかも。。。」
といった確定申告には、税務署も目を光らせているものです。
そのような事情があるにも関わらず、客観的なルールもなく家事関連費を全て経費にしていると税務調査で指摘をされてしまうものだといえます。
だからこそ「100人中100人が経費として認識できる。」といったルールを決めて、家事関連費を経費する際には注意を払っていきましょう。