税務調査に入る調査官というのは、調査先に対しては事前に準備をしてくるものです。
なので、税務調査を迎える側も気を抜かずに事前準備をしておきましょう。
税務調査先はどの時期に選定されているのか
税務署を所管する国税庁の事務年度は、毎年7月1日から翌年6月30日となっています。
なので、年度末となる6月30日までには調査を一旦終了し、7月の人事異動を踏まえた各部署の新編成によって税務調査対象先が選定されているようです。
では「その事務年度のどの時期に税務調査に入る先が選ばれているのか。」
といえば、
「事務年度の早い時期には調査対象先が絞られ、それとともに調査を担当する調査官も決まっている。」ということです。
そのようなこともあり、担当の調査官は税務調査に入るよりも早い時期に「調査対象先の過去の調査実績や資料せんなどを精査している。」といわれています。
税務調査の調査官もサラリーマン
「税務調査にやって来る調査官は、容赦なく税金を取っていく怖い人種だ。」
というイメージを持っている方もいるかもしれません。
たしかに、調査官によっては「資料の隅々まで調べ、1円の徴収漏れも認めない。」といった強硬な対応をする調査官もいるとはいえます。
とはいっても、税務調査にやってくる調査官も公務員というサラリーマンなので個人差もありますし、能力やモチベーションにも差はあるものです。
「調査件数にノルマがあるから、そのノルマ件数をこなすための調査なので穏便に終わらせよう。」と見受けられる方もいますし、
「実地調査に入っている最中には全集中で一切気を抜かず、日常会話などに応じることなく資料をひたすら調べている。」という調査官もいるものです。
なので「どのような調査官が実地調査にやってくるのかで方向性が変わってくる。」ということは、税務調査においてはあるものだといえます。
それでも、ほとんどの調査官は実地調査に入る前には入念な事前準備をして調査に入っているように感じます。
たとえば、飲食店などの店舗ビジネスであればお客様として来店し、お店の状況を確認していたりもしますし、自宅付近を確認することで生活ぶりを把握するということもあるそうです。
税務調査の目的でも事前準備の力の入れ方が変わる
「税務調査の対象先に選ばれる。」といっても、その選定理由としては様々なものがあるといえます。
- いまままで一度も税務調査に入ったことがない先
- 数年に一度の定期的な調査
- 申告書の中に異常な数値や誤りがあったことを確認するため
- 脱税などの不正な申告をしているというタレこみがあったため
などというように「税務調査。」とひと言でいっても、その調査の目的が異なるということはあるものです。
とはいっても「税務調査というのは事前準備をして実地調査にやって来る。」というものです。
たしかに、調査目的や担当の調査官によって「税務調査に対する印象が毎回異なる。」ということもあるかもしれません。
それでも「税務調査は侮れないものだ。」と考え、事前準備をしてきている調査官に対応できるように、
税務調査を迎えるじぶん自身も「論点となりそうな箇所の整理や質問事項には対応できる」ように、事前準備をしておきましょう。