相続税とはどのような税金なのか

「相続税はどんな税金なのか。」ということを書いていきます。



人生の最後の最後にかかる税金である相続税


親や配偶者の方が亡くなった際の相続財産に課税される、相続税。

「生きている間に所得税や住民税、消費税などをあれだけ支払ってきたのに最後にまで税金がかかるなんて。。。」

と思われることもあるものでしょう。

たとえば、配偶者が遺産の半分、子どもが残りの遺産を均等に取得したことを前提とした「主要国の相続税の負担率。」というグラフを確認すると、

3億円の財産を配偶者と子ども2人が相続した場合には、

  • イギリス(14.06%)
  • 日本(9.53%)
  • フランス(8.21%)
  • ドイツ(1.89%)
  • アメリカ(0%)

というように、日本の相続税負担率はイギリスに次いで高くなっており、相続財産が高くなるにつれて日本が最も相続税の負担率が高い国となっていることが確認できるといえます。

また、国際的に相続税は廃止される国が増える傾向にあります。

  • 香港や中国、シンガポール、マレーシアなどのアジア各国
  • スイスやスウェーデン、イタリア、モナコなどのヨーロッパ諸国

などの国で相続税が廃止されており、アメリカに関しても相続税が非課税となる基礎控除が500万ドル(2018年1月以降は、2025年までの時限措置として、基礎控除額が2倍の1,000万ドルに拡大され、さらに毎年インフレ調整による改訂が行われる。)となっており、相続税が課税されるのは稀な状態になっているようです。

とはいっても、相続税が存在する日本では「人生が終わった後にも相続税という税金を支払う可能性がある。」といえます。


相続税のかかる財産とは


それでは「相続税はどのような相続財産に課税されるのか。」

というと有形・無形の財産を問わずに相続時に保有している財産に相続税が課税されるといえます。

たとえば、土地や家屋などの不動産、株式などの有価証券(暗号資産も)、預貯金、車などの個人的な財産が該当します。

また、亡くなった方(被相続人)が事業を営んでいた場合には、事業用の機械や売掛金、会社への貸付金や株式なども相続税がかかる財産となります。

さらには特許権や電話加入権の無形の財産や、ちょっとした家具なども相続税の対象となる相続財産だといえます。

なので、相続が起きた際には、まずはこれらの財産を把握し、

「財産目録。」というものを作成して、相続税を支払う必要があるのかどうかを判断する必要があります。


相続人が多いほど相続税額は少なくなる


相続が起きたからといっても、全ての場合に相続税が課税されるわけではありません。

相続税の支払いをしているのは、相続があったうちの8.8%(2020年)となっています。

国税庁「令 和 2 年 分 相 続 税 の 申告事 績 の 概 要」より

「これはなぜか。」といえば、相続財産が基礎控除以下の場合には「相続税はかからない。」という制度になっているからです。

その基礎控除というのは、

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人数

と計算されることになります。

たとえば、相続人が配偶者の方と子ども2人の場合には、

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

ということになり、相続財産が4,800万円以下の場合には相続税が課税されないということになります。

なので、もし相続が起こった際には「財産目録」を作成し、「法定相続人が何人いるのか。」ということを改めて確認しながら、相続税を支払う必要があるのかを確認していきましょう。