デジタル化すると青色申告特別控除が75万円になるR8(2026)年度税制改正大綱

デジタル化すると青色申告特別控除が増額されることになりました。



青色申告特別控除


個人事業主として確定申告をする場合。

青色申告特別控除という青色申告をするひとが、一定の要件を満たすことで所得(事業所得・不動産所得など)から差し引ける制度を活用したほうがいいといえます。

  • 青色申告の承認を受けていること(事前に「青色申告承認申請書」を提出)
  • 帳簿をきちんとつくること(65万円・55万円は基本「複式簿記」+青色申告決算書)
  • 期限内に申告すること(遅れると控除が受けられないことがある)
  • 65万円控除を受けたいならe-Taxで提出 or 電子帳簿保存などの追加要件を満たす

といった要件を満たす必要があるのです。

控除額が最大65万円となるので、適用できるようにしておいたほうが税負担は下がるといえます。


デジタル化で75万円に


そんな最大65万円の所得控除が受けられる青色申告特別控除。

2026年の税制改正大綱で控除額の最大値が増えたといえます。

デジタル化の要件を満たすことで、控除額の最大値が現在の65万円から75万円に引き上げられるのです。

75万円の控除を受ける要件として、

・e-Tax(電子申告)を利用して確定申告をおこなうこと

・「優良な電子帳簿」の要件を満たすかたちで、仕訳帳および総勘定元帳を電子的に保存していること

の2つの要件を満たす必要があるとなりました。

65万円の控除を受けるためには「e-Tax(電子申告)を利用して確定申告をおこなうこと」があったので、「優良な電子帳簿」を追加で満たす必要があるとなったのです。


優良な電子帳簿の保存をやる価値はある


「優良な電子帳簿の保存。」というのは、どういうことか。

「パソコンで会計ソフトを使っているからデジタル化できているし、優良な電子帳簿の保存ができている。」とも思われたりするかもしれません。

そんな「単にパソコンで帳簿をつけているだけでは不十分」で、以下の法的な保存要件を満たす必要があります。

・対象となる帳簿は、その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳

・保存方法は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電帳法)に基づき、以下のいずれかの状態で電磁的記録(データ)を保存していること

具体的には、

「会計ソフトの訂正削除履歴が残り、検索機能がある等を満たす条件で保存している。」

「通常の業務処理期間を過ぎて入力した場合に、その事実が確認できること(いわゆる“後からまとめ入力”を判別できる仕組み。」

「帳簿間の相互関連性が確認できること。仕訳帳総勘定元帳がリンクして追える(通常の会計ソフトこの要件を満たしている)。」

などの要件が挙げられるといえます。

これらの要件は会計ソフトに「優良電子帳簿保存を適用するかどうか。」の欄があるので、適用するにすると満たせるともいえるものです。

なので、控除額も増えることになるため会計ソフトの該当欄を探してデジタル化にしてみるといいかもしれません。

なお、この改正は、2027年分の所得税から適用されるため2026年を腕慣らしと考えて優良電子帳簿に慣れていってみるといいといえます。