税務調査の呼び水となる確定申告のやり方は避けていきましょう。
売上を抜いている
確定申告書をつくっているとこのようなことを考えたりもするかもしれません。
「今年の税金はこんなに高いのかぁ。。。」といったようなことを。
そのような際には「売上をちょっと抜いて税金を下げようかなぁ。。。」といった悪魔のささやきも聞こえてくるものでしょう。
ましてや売上を抜いた確定申告書を提出しても、
「ちょっとちょっと!!!。」と税務署の方に呼び止められることはないので、常習的に売上を抜いてしまうような癖がついている方もいるかもしれません。
ただ、税理士として税務調査の対応をしていると、
「売上を抜いていることが調査官にバレている。。。」といったような税務調査も少なくなかったりするといえます。
なので「税金を下げるために。」と売上を抜いて確定申告をするのは避けていきましょう。
国税庁には、確定申告のデータが豊富に蓄積されているといえます。
そのなかで売上を抜いているような確定申告だと、
「同業他社と比べて経費の比率が多い。」
「取引先の確定申告書を比較すると売上金額に異常値がある。」
「支払調書の金額とズレがある。」というようなところから国税庁のシステムで「怪しい確定申告」といったチェックがされているのです。
負担していないレシートや領収書を経費に入れてしまう
事業を営んでいる友人と会食をしていると、
「この領収書貰ってもいいよね。。。」といった会話になったりもするでしょう。
ときには「領収書はおまえでレシートはおれが貰うわ。」というように、ひとつの取引に対して2つの証拠資料を貰うこともあったりするかもしれません。
このような領収書やレシートが「絶対に事業の経費にならない。」ということはないものです。
友人だったとしても「仕事の打ち合わせ。」ということでの会食をする場合はあったりするものでしょう。
とはいっても「負担していない金額」までも経費に入れるのは、やってはいけないといえます。
会食であれば「じぶんが負担した金額が経費になる。」のであって、奢られた会食代であれば経費になる金額はゼロですし、割り勘の会食代はじぶんが支払ったものだけが経費になるのです。
にも関わらず、負担していないものを経費にしていたりすると、そのようなことをしている友人の税務調査を契機としてじぶんにも税務調査が行われることもあったりするといえます。
そして、負担していないようなものまで確定申告の経費に入れていると、
「実際に負担している経費。」にまで疑いがもたれる税務調査になることもあったりするのです。
だからこそ「税金を下げたい。。。」などという欲望に駆られず、じぶんが負担した分だけを経費にしていきましょう。
領収書の金額が「10,000円。」だったとしても、じぶんが金額が5,000円であればその5,000円のみ経費にしていくべきです。
その領収書には「自己負担分は5,000円」などとメモ書きをしてみるのもありだといえます。
前年と全く同じ数字で確定申告をする
確定申告をするのは手間だったりもするものかもしれません。
毎日、会計ソフトなどで日々経理を行なっていないと「手間感はハンパない。」ということもあったりするものでしょう。
だからか「去年の確定申告と全く同じ数字でいいかなぁ。そんなに数字は変わらないはずだし。」と、前年の確定申告書と全く同じ数字で確定申告を行われるひともいるかもしれません。
それこそ、副業の確定申告をしている場合には前年と全く同じ数字で確定申告をする場合も少なくなかったりするかもしれません。
たしかに「結果的に前年と同じ金額だった。」という場合には、問題ないどころか正確な確定申告だといえるので問題はないものです。
とはいっても、本来は全く同じ数字にならないのに「手間だから同じ数字で確定申告を。。。」というのは避けるべきだといえます。
毎年、全く同じ数字で確定申告をしているとその売上金額が少額だったとしても税務調査に発展することもあるものです。
「毎年、全く同じ数字なので税務調査に入りました。」というような調査官のセリフを聞いたりしたこともあったりするといえます。
そして「全く同じにしていた数字の一番初めの確定申告の数字すらも間違っていた。」ということが判明したりもするのです。
だからこそ、確定申告というのは毎年数字を集計して、その年の正確な数字を反映させたものをつくっていきましょう。
前年と同じ数字で確定申告を行なうのは楽かもしれませんが、税務調査の対応は楽だとはいえませんから。