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決算書(損益計算書)が赤字
事業を営むにあたっては、黒字という儲かっている状態のほうが気持ちはいいものだといえます。
「これだけ儲かっちゃった。。。」という思考は、じぶんの自信にもつながったりするものかもしれません。
とはいっても、赤字になることもあったりするものでしょう。
「会社経営を始めてみたけど赤字決算になっちゃった。」と。
そのような際には、法人税はほとんどかからないことになるといえます。
法人税は、黒字の場合には税引前当期純利益に対して30%ほどかかってくるものですが、赤字の場合には最低でも支払わなければならない7万円だけでいいからです。
(ちなみに神奈川県横浜市に所在している会社を営んでいる場合には74,500円)
だからか「節税のためには赤字決算のほうがいいかも。。。」と考えたりもするものかもしれません。
税引前当期純利益100万円・・・法人税30万円
税引前当期純利益-5万円・・・法人税7万円
のほうが税負担も減り魅力的に映るとも考えたりもするものでしょう。
赤字を10年間繰り越せる
「会社が赤字だと法人税は7万円だけ。。。」ともなるので、世の中の6割超の会社は赤字決算をしているのかもしれません。
そして、その赤字決算の赤字金額は10年間繰り越せるのです。
なので「過去10年分の赤字金額を超えなければ、今期黒字決算になっても法人税は7万円のままですむ。」ともいえます。
たとえば、ある期に1,000万円の赤字決算となった場合で翌期以降、次のような決算となったケース。
1年目・・・赤字1,000万円
2年目・・・黒字100万円(赤字残高900万円)
3年目・・・黒字300万円(赤字残高600万円)
4年目・・・黒字400万円(赤字残高200万円)
5年目・・・黒字100万円(赤字残高100万円)
6年目・・・黒字100万円(赤字残高0万円)
「すべての決算期における法人税が7万円ですむ。」といえます。
この赤字金額の10年繰越は「資本金が1億円以下の会社のみ適用されるルール。」だともいえますが、多くの会社が該当するものでしょう。
赤字の繰越は解消していったほうがいい
だからか「赤字だと法人税の負担が少なくてすむ。」といえるのです。
「利益の30%分を支払ってね。。。」となるよりは、赤字決算のほうが法人税の負担金額はかなり減るものですから。
ただ「赤字だと法人税の負担が低くていいから、毎期赤字で決算を。。。」というのは避けていったほうがいいといえます。
できるかぎり、10年間のなかで赤字金額を解消していったほうがいいといえるものです。
なぜなら、会社を営んでいる場合には資金調達を考えるタイミングが訪れることもあったりするからです。
「うちの会社はファミリービジネスで外部から資金調達の心配はない。」という場合以外には、銀行融資を検討することもあったりするものでしょう。
「決算書は税務署よりも銀行を意識してつくったほうがいい」といえるのです。
なので「赤字だと法人税はかからないけど、赤字解消に努めていく。」としていきましょう。
銀行は赤字決算を嫌うものですし、過去の赤字金額を解消していなければ「融資の返済が見込めない会社。」だとみなして、資金調達が難しくなるといえます。