「会議費の枠が広がった。」といっても、個人事業主や中小企業にとっては基本線を守っていきましょう。
会議費の枠が広がった
「会議費の枠が広がった。。。」といった話を聞いたことがあるかもしれません。
2023年3月までは、飲食費がひとりあたり5,000円以下であれば「会議費」としていたものが、2024年4月以降は10,000円以下であれば会議費にできるようになったからだといえます。
「5,000円だとそれほどいい飲食を伴う会議ができないかもしれない。」といった「安いニッポン」を脱却する動きだともいえるのでしょう。
なので、2023年3月までは、
「3人が出席する30,000円の飲食が伴う経費は会議費とならず接待交際費となっていたものが、会議費として経費に含まれる。」ということになりました。
個人事業主や中小企業はあまり関係ない
「接待交際費ではなく会議費にしたい。」というのは、多くの個人事業主や中小企業にとってはそれほど関係ない話だといえるかもしれません。
なぜなら「接待交際費が経費にならない。」というのは、大企業の話だからです。
たとえば、資本金が1億円超の会社は「接待費交際費として支出した金額のうち50%しか(税務上の)経費にならない。」という制度になっているのです(資本金が100億円超となるとさらに締め付けが厳しくなる)。
そのような大企業にとっては、
「この支出を接待交際費にせず、会議費にするためひとりあたりの予算管理をきっちり行おう。」というのが、ひとりあたり5,000円以下であったり、2024年からはひとりあたり10,000円以下の予算にする必要があるのです。
なので、個人事業主や中小企業にとっては事業にとって必要な接待であればひとりあたり10,000円超の支出だったとしても接待交際費として全額が経費になるといえます。
資本金が1億円以下の中小企業に関しては「1会計期間に800万円までは接待交際費が全額経費になる。」といえるので、この上限にひっかかる会社は少ないといえるものでしょう。
プライベートのものはそもそも経費にならない
「個人事業主には接待交際費の上限がなく、資本金1億円以下の法人は年間800万円までが全額経費になる。」というのが、税務上の交際費のルールだといえます。
とはいっても「じぶんは個人事業主だから何でも接待交際費に入れられる。」
「うちは資本金1億円以下の法人だから800万円まではイケる。」ということではないものです。
なぜなら「事業の運営にとって必要な接待だから経費になる。」といったルールがあるからです。
たとえば「一緒に事業を営んでいる家族と会議をするために飲食をした。」という場合には、経費になるものですが、
「友人と昔話をするために会い、一瞬だけ事業の話をした。」というのは接待交際費としての経費にはならないといえます。
税務調査があったりすると、
「何が何でも接待交際費を経費として認めない。」というスタンスの調査官もいたりするものです。
その際にも「これは100%事業としての支出だよ。」という場合には抗弁ができるものですが、友人やお子様との飲食費が紛れていると指摘されてしまうといえるかもしれません。
「この他にもお子さんとの飲食費が含まれていますよね。」といったように。。。
なので「この接待交際費は事業としての性格があるものだ。」と示すためにも、
「会食の日付、取引相手、人数。」といったことを手帳やデジタルに残していったほうがいいといえます。
このような記録があれば「接待交際費として認められない。」「これは会議費ではない。」といった事態から避けられるものですから。