「消費税の納税額は大きくて。。。」となる前に、ざっくりと金額を確認してみるといいといえます。
原則的な計算方法の場合
消費税は「売上で預った消費税を税務署へ納税する。」というものではなく、
売上で預った消費税 ‐ 経費で支払った消費税 = 納税する消費税
となるものです。
なので「消費税は売上に対してかかる」というものではなく「利益に対して消費税がかかる。」ともなる制度だといえます。
ただ、経費の中には消費税を支払っていない経費もあるものです。
そのなかでもメインとなる「役員報酬・給与・法定福利費・保険料・減価償却費・支払利息」だといえます。
なので、経費のなかで消費税の支払いがなかったものを利益にプラスして、
利益 + (役員報酬・給与・法定福利費・保険料・減価償却費・支払利息)
に10/110をかけた金額が消費税の納税額の目安金額になるといえるのです。
(利益 + (役員報酬・給与・法定福利費・保険料・減価償却費・支払利息)) × 10/110 = 納税する消費税
だからか「赤字なのにこんなに消費税を支払うなんて。。。」ということが起こるといえます。
そして、この計算方法が原則的な消費税の納税金額を表すものになるのです。
簡易課税の場合
消費税には「簡易課税」といって、原則的な方法とは異なる計算方法を選択できるケースがあるのです。
そのケースとは、基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)の(課税)売上高が5,000万円以下の場合には届け出を提出していれば、簡易課税を選択できるのです。
その簡易課税を選択した場合に納税することになる消費税は、次の利率を売上で預った消費税から控除した金額だといえます。
- 第1種事業(卸売業) 90%
- 第2種事業(小売業など) 80%
- 第3種事業(製造業など) 70%
- 第4種事業(第1種事業から第3種事業、第5種事業から第6種事業以外の事業) 60%
- 第5種事業(サービス業など) 50%
- 第6種事業(不動産業) 40%
たとえば、第1種事業の場合には、
売上 × 10/110 × (100% - 90%)
第2種事業の場合には、次のように計算できるといえます。
売上 × 10/110 × (100% - 80%)
さらにいえば「第1種事業の場合には売上の消費税の10%、第2種事業の場合には売上の消費税の20%、第3種事業の場合には売上の消費税の30%を納税することになる」と考えることができます。
「売上と営む事業の分類で簡単に消費税の納税額が決まる。」ともいえるので、簡易課税というのでしょう。
2割特例の場合
インボイス制度が開始する前には、基準期間の(課税)売上が1,000万円超でなければ消費税を納税する義務はなかったといえます。
そのようななかでインボイス制度に合わせて消費税を納税するようになった事業者の場合には、
原則的な方法と簡易課税の方法以外に「2割特例」と言われるような計算方法が認められているといえるのです。
そんな2割特例の計算方法は、
売上で預った消費税 × 20%
になるといえます。
売上 × 10/110 × 20%
だともいえるでしょう。
2割特例を適用できる期間は、2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する各課税期間となります。
じぶんの事業がどの計算方法になっているかを確認して、今回の計算方法を使ってみるとある程度の消費税の納税金額を把握できるといえます。