「収入は支払調書をベースに。。。」などというような確定申告のやり方は避けるべきだといえます。
支払調書をもらうことも
給与を受け取る際には、給与明細や源泉徴収票を貰えたりもするものでしょう。
そして、その年の年収が給与だけであれば給与明細や源泉徴収票などを確認することで把握できるといえます。
ただ、仕事をした際に支払調書を貰ったりする場合もあるものかもしれません。
「講演によばれたら支払調書をもらった。」
「予防接種の会場で働いたら支払調書を貰った。」
「士業としての仕事をしたら支払調書を貰った。」といったように。
そして、確定申告をしなければならない場合には「支払調書をベースに確定申告の計算をする。」ということもあったりするものでしょう。
支払調書は必ずもらえるわけではない
「支払調書に金額や天引きされた源泉所得税が書いてあるから、これをベースに確定申告を行おう。」という気持ちは理解できるものです。
じぶんで収入や天引きされた源泉所得税をメモしていなければ「支払調書しか頼りにできない。」とは感じるものでしょうから。
とはいっても、支払調書をというのは「仕事をした本人に交付をする義務がない書類。」になっています。
なぜなら、支払調書というのは一定の要件を満たした場合に「税務署に対して提出する書類。」だからです。
なので「支払調書を貰っていない。」という場合も少なくないものになります。
すると「支払調書をベースに確定申告を。。。」と考えていても、支払調書を貰っていない仕事の収入に関して漏れが生じたりもするものです。
その漏れがあった収入に気が付かずに確定申告をすると「売上を抜いた。。。」などと脱税にもなってしまうといえます。
支払調書に書いてあったは税務調査で通用しない
また、支払調書というのは「必ずしも正しい金額が記載されている。」ともいえないものです。
どうしても、従業員に対する給与明細や源泉徴収票、取引先に対して交付する請求書などと比べると重要度が低い資料になるからです。
それこそ「支払調書は本人に交付しないどころか税務署にも提出しない。」としている会社や個人事業主も一定数いたりするといえます。
だからか「金額を厳しくチェックしないで交付する。」ということがあったりするのです。
たとえば、確定申告をする際には「未入金でも終わっている仕事。」については収入に含めて確定申告をしなければなりません。
ただ、支払調書を交付する側は「実際に振り込んだ金額だけ。」を記載して作成している場合もあったりするものです。
そして、10.21%などの源泉所得税も「本当は引いているのに記載していない場合。」もあるといえるかもしれません。
このような「未完成」の支払調書をベースに確定申告をしてしまうのは、危険だといえます。
確定申告というのは「じぶんの責任で計算して、発生主義をベースに数字を確定していく。」というものになります。
にも関わらず、誤った支払調書を使い確定申告をしていると、
「確定申告の数字が間違っていますよ。」といった書面が税務署から送られて来たり、ときには税務調査の連絡が来ることもあるといえます。
なので、給与以外に収入がある際には「働いた日付、受け取った天引き前の収入、天引きされた源泉所得税、取引相手。」をスマホのメモアプリなどで管理をしていきましょう。
じぶんがきちんとメモをした金額が支払調書と異なっている場合には、じぶんのメモの内容で自信を持って確定申告を行っていいものです。
正確な数字を把握できれば税務署からも連絡が来ることはなくなりますし、確定申告の際に慌てる必要もなくなるでしょう。