令和6年(2024年)税制改正大綱で気になるところを速報

毎年12月の中旬に税金の仕組みの改正案を掲げる自民党税制改正大綱。

そのなかで気になったところを3つほど挙げていきます。



個人事業主の4万円のもらい方


岸田政権が打ち出した目玉政策といえる定額減税制度。

所得税(3万円)と住民税(1万円)を合わせて4万円を受け取る(実際には減税される)といった制度。

扶養している家族がいる場合には、さらにその人数分が加算されます。

そんな定額減税について「個人事業主はどうやって減税されるのか。」といえば、

・2024年7月の所得税の予定納税1期目で3万円が減税される
・予定納税1期目で減税されるほどの金額がなければ、2024年11月の予定納税2期目で減税される
・それでも足りなければ2025年の確定申告で減税される

ということになっています。

なので、予定納税がない(2024年3月15日までに行う確定申告において所得税額が15万円以上とならない)場合には2025年3月15日までに行う確定申告で3万円が減税されるとのこと。

また、住民税の1万円に関しては、2024年の6月分の住民税で減税されるか引ききれない場合にはそれ以降に渡って減税されるとのこと。

この減税措置を受けるためには、2024年3月15日までに行う確定申告での所得が1,805万円以下である必要がある。


生命保険料控除の節税


会社員でも個人事業主でも一定の金額までの生命保険については、節税効果があるといえる生命保険料控除。

この生命保険料控除に関して、23歳未満の扶養親族がいる場合には新生命保険料分の一般枠(死亡保険金などの枠)について、

生命保険料控除枠 4万円 ⇢ 6万円

と増額される。

ただし、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額についてはいままで通り12万円のまま。

なので、いままでフルに枠を使っている方は節税効果がないといえます。

なお、一時払いの生命保険ついては富裕層ということでこの控除の適用対象から除かれる。


倒産防止共済の節税について一定の制限


掛け金が経費(年間240万円以内・累計800万円まで)となり、

40ヶ月以上保険料を支払えば解約しても掛け金が元本割れるすことなく戻ってくるので「節税保険。」としても人気が高い倒産防止共済。

なので「連鎖倒産を防止するため。」という本来の目的よりは、効率的な節税のために使われている場合が多いといえるでしょう。

だからか、倒産防止共済での節税に一定のメスが入ることに。

倒産防止共済を解約して(返戻金を受け取って)、改めて再加入する場合にはその解約日から2年間は掛け金が経費にできなくなります。

「一旦解約して、来期からまた倒産防止共済で節税すればいいか。。。」といったことに時間的制限が求められることになりました。

倒産防止共済に関しては、本来の連鎖倒産を防ぐという意味よりも「節税のため。」に使われることが多かったので妥当な改正だといえるかもしれません。

なお、適用時期は2024年10月1日以降に解約するものからということ。