「今週中に融資して。」と銀行の融資窓口に行くのはまずい

「今週中に。。。」と懇願しても、それは銀行融資対応としてマイナスだといえるものです。



今週中に融資して


銀行員をやっていると、

「今週中に融資をしてほしい。。。」といった方が融資窓口に来たりもするといえるかもしれません。

「どうしても今週中に必要なんだ。。。」

「いまも何行か金融機関をまわって来て。。。」

「何とかなりませんか。。。」といった切羽詰まった表情で。

などという「今週中に融資をしてほしい。。。」という言葉。

銀行融資対応としてはマイナスだといえるものです。


銀行融資の実行にはそこそこ時間がかかる


「カードをつくったら即日融資。」ということが銀行には難しいものだといえます。

銀行へ就職する前は「銀行も即日融資しろよ。。。」などと考えていたものでしたが、銀行員は慎重にならざるをえないといえるのです。

なぜなら、銀行というのは「預金者のお金を100%保証し、さらに利息をつけて返さなければならない。」といった業態だからだといえます。

そのためには、融資の実行で失敗しないために、

関係各所が資金使途の妥当性を確認し、決算書などの書類を分析し、数字面や社長の調査しながら融資稟議書をつくっていくのです。

そして、その融資稟議書は支店内で決裁され、本部で決裁され、ときには信用保証協会で決裁されることを含めて融資実行までに何人もの目を通っていくといえます。

決算書をデータ化するために1〜2営業日。

決算書の分析に2〜4営業日。

融資稟議書を書くために1〜2営業日。

融資稟議書に意見を受けるのに1営業日から10営業日。

信用保証協会の決裁を仰ぐために、5営業日から10営業日。

金銭消費貸借契約を締結して実行までに1〜2営業日。

などといったタイムスケジュールだともいえるものです。

これらのスケジュールの中で、

「ちょっと追加資料として、あれとこれを。。。」となっていけば、さらに数営業日の時間が追加となるものだといえます。

また、融資担当者のスケジュールが混み合っていれば、

「動き出すまでに5営業日。。。」などというタイムスケジュールともなってしまうものです。

これらを加味すると「3週間から1ヶ月半程度の時間」が融資実行までのタイムスケジュールとして必要になるのです。


慌てている会社は怪しい


などというタイムスケジュールは、銀行融資対応として広く知れ渡っているともいえるかもしれません。

だからか「銀行へ融資を申し込む際には1ヶ月程度前に。」といった格言があったりもするといえます。

とはいっても「書類がばっちり揃っていれば、銀行融資を受けるためにそれほど時間を要さないでしょ。。。」と思われたりもするかもしれません。

たしかに「既存の融資先の会社で決算書などをあらかじめ預かっていたり、業績が圧倒的な黒字などの優良企業。」ともなれば、銀行員が5営業日で融資実行まで持っていくことはあるものです。

「情報は揃っているし、この会社にはうちの銀行との信用があるから。」と安心感を持って進められるからだといえます。

ただ「今週中に。。。」という、イレギュラーな感じで銀行の窓口に来るひとには銀行員も警戒するものです。

「社長の慌てている雰囲気が怪しい。。。」

「決算書も数字が整っているように見えるけど怪しい。。。」

「返済原資も怪しい。。。」などと銀行員が即答できるような確信的な情報が揃っていないからだともいえます。

すると、窓口で恨まれないような対応を取りつつ断ってくるといえるかもしれません。

「うちでは、難しいですね。」などと。

なので、銀行融資を受けようとする際には、スケジュールには余裕を持って申込みに行くべきです。

慌ててしまうと、本来は融資を受けることが可能だったとしても、断られてしまうといえます。


まとめ


銀行融資は余裕を持ったスケジュールで申し込みに行くべきです。