離婚した場合の財産分与には相続税がかからないケースがほとんどだといえます。
財産を渡すと贈与税がかかる
個人が個人に対して「これあげるよ。」となった場合には、贈与税といった税金がかかってくるケースがあるともいえます。
「マイバッハ(車)をタダであげるよ。」
「借金をなかったことにしてあげるよ。」
「20カラットのダイヤモンドの指輪をあげるよ。」という場合には、
もらったひとに贈与税という税金がかかるので、もらった年の翌年の3月15日までに確定申告をしなければならない場合があるといえます。
とはいっても、贈与税は年間110万円までの贈与なら非課税になり確定申告をする必要もないですし、親などからの生活上どうしても必要な範囲内の仕送りなどであれば贈与税はかからないとなる税金なのです。
離婚をした場合の財産分与は通常贈与税がかからない
結婚をしていても、やむにやまれない事情で離婚をする場合もあったりするものかもしれません。
その場合には、離婚をすることになった相手に財産をわけてもらうことを請求できる財産分与の権利を持っているといえます。
「貯金の半分はわたしのもの。」
「2台ある車のうち1台はわたしのもの。」
「自宅の価値の半分はわたしのもの。」というように夫婦で築き上げた財産は、
パートナーとご自身で協力して得た財産なので「婚姻期間や財産への貢献度を加味した金額を当事者で話し合い請求できる権利」が民法上はあるのです。
このような「離婚に伴って受け取ることになった財産。」というのは、夫婦間における財産の清算といった性質になるので税務上も贈与として取得した財産とは取り扱わないようになっています。
なので「離婚における財産分与は基本的には贈与税はかからない。」となり、贈与税の確定申告や贈与税の支払いは心配しなくてもいいといえます。
贈与税が課税になるケースもある
「やっぱり、離婚した場合の財産分与には贈与税は心配しなくていいんだ。」というのが原則的な考え方だといえるでしょう。
すると「じゃあ、財産分与で贈与税がかかる例外的な事例って。」ということも気になったりするものかもしれません。
たとえば「このままだと相続税がハンパない金額になるから、とりあえず形式以上離婚したことにして財産分与で財産を守っていこう。」などという場合の離婚は、
「相続税や贈与税を回避する手段として離婚といった制度を利用した。」として贈与税がかかってくるといえます。
他にも、婚姻中の夫婦の協力によって築かれた財産の金額よりも多額の財産分与となった場合には贈与税が課税されるケースもあるといえます。
「ひとまず、一定期間婚姻生活を送ってあいつから財産分与で財産をふんだくろう。」といった考えで結婚し離婚をした場合には、贈与税の確定申告が必要になると考えたほうがいいといえるかもしれません。
また、夫婦共有名義の不動産で相手の持ち分を財産分与でもらった場合には「不動産取得税(財産の評価額の3〜4%)」がかかってきますし、財産分与で不動産や株式を分け与えた方にも譲渡所得税がかかってきたりすることもあるといえます。
とはいっても、これらのケースは例外的な事例だといえるので、
「王道の婚姻生活を送っていた場合の財産分与には贈与税はかからない。」と考えていいものです。