相続が起きた際には、被相続人の方が加入されていた個人年金保険も相続税の対象となるものです。
生命保険も相続税の課税対象となる
相続が発生した場合には、その相続が起きた時点の財産が相続税の対象となる財産になるといえます。
その財産のなかには、相続時点では現金化されていない生命保険も相続財産となる場合があったりするものです。
・被保険者が被相続人
・保険契約者が被相続人
・保険金の受取人が配偶者や子ども
といった被相続人が保険料を支払っていた場合で、
その保険金を「相続人となる配偶者や子供が保険金を受け取った場合」には相続税の対象となる財産になるといえます。
なので、相続税の申告をする際には生命保険も含めて行う必要があるのです。
個人年金保険を受け取った場合には形態によって相続税の評価方法がある
生命保険を個人年金保険として入られている方も少なくないものでしょう。
そんな年金形式で被相続人が保険金を受け取っていたものをその相続人が引き継いで受け取る場合には、その保険金額における相続税評価額は次の3つにわかれることになります。
有期定期金の場合
有期年金というのは5年や10年といったように「期間を限定して定期的にお金の給付を受ける」個人年金保険の形式をいいます。
その有期定期金とされる形式は、次の3つの評価額の計算を行って、その中で最も大きな金額になるものを相続税評価額として相続税の申告に含めなければなりません。
- 解約返戻金の金額
- 一時金で受け取ることとした場合の金額
- 1年あたりで受け取る年金の平均額 × 残存期間の予定利率の複利年金現価率
無期定期金の場合
無期定期金というのは「給付期間を決めず定期的に金銭の給付を受ける」個人年金保険としての形式をいいます。
無期定期金となる形式には次の3つの評価額の計算を行い、その中で最も大きな金額になるものを相続税評価額としなければなりません。
- 解約返戻金の金額
- 一時金で受け取ることとした場合の金額
- 1年あたりで受け取る年金の平均額 ÷ 予定利率
終身定期金の場合
終身定期金というのは「被保険者の方が亡くなるまで金銭の給付が続く」個人年金保険としての形式をいいます。
終身定期金となる形式には、次の3つの評価額の計算を行い、その中で最も大きな金額になるものを相続税評価額としなければなりません。
- 解約返戻金の金額
- 一時金で受け取ることとした場合の金額
- 1年あたりで受け取る年金の平均額 × 定期年金の受取人の平均余命に応じた予定利率による複利年金現価率
非課税枠がない場合もある
相続によって生じた生命保険金を受け取る場合には、その保険金について全額が相続税の対象とならないような非課税枠が設けられています。
その保険金の非課税枠の金額は、
500万円 × 法定相続人の人数
といったもの。
だからか、死亡保険金の金額が非課税枠内であれば被相続人が死亡保険金を受け取ったとしても、その生命保険について相続税は生じないことになります。
とはいっても、非課税枠がない場合もあったりするものです。
その受取人が法定相続人でない場合には非課税枠が適用されませんし、相続放棄をしたひとが受け取った場合にも非課税枠は適用されないといったことになります。
そして、個人年金保険の受給中に受給期間を残して被相続人が亡くなった場合にも非課税枠は適用されません。
この場合の「後継年金受取人」となっているひとが受け取る年金受給権は、
みなし相続財産として相続税の課税対象になるものですが、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)は適用されないので注意が必要だといえます。