税務調査ってなに?なぜ税務調査はあるのか

税務署の調査官が会社にやって来て、事業内容に関する質問をされ答えていく。

また、様々な帳簿や書類に関して根掘り葉掘り調べられなければならない税務調査。

税務調査は、本業の手を休めて対応しなければならないので、一定の時間と労力を使うものです。

税務署の調査官が会社に来て、質問をされ、解答しなければならないという徒労感。

ときには、税務署の担当調査官と丁々発止のやりとりもしなければならなかったりするもの。

そんな税務調査は、なるべく来てほしくないものですよね。

では税務調査は、いったいなぜあるのでしょうか。


申告納税方式を維持するために、税務調査がある


日本の税金には、たとえば法人税や所得税などは、納税者が自ら申告するのが望ましいとして申告納税方式というものが採用されています。

この申告納税方式というものは、じぶん自身で自らの所得や税金を計算して、その計算した税金を自主的に申告をして税金を支払うという制度になります。

そして、この申告納税方式を維持するための重要な役割を担っているのが、税務調査といえるのです。

申告納税方式という、税金を支払う人が自ら計算する制度のもとで、もし税務調査がなかったら、まじめに税金を支払う方はどれだけいるのでしょうか。

もしかしたら、「かなり少数派かもしれません。」

というよりも、まじめに計算する人はいないかもしれません。

また、自分では正しいと思い申告したものでも、年々複雑になる現在の税制の下では、意図的ではなくても誤った申告をしてしまうということもあるかもしれません。

その申告納税方式では、申告書を提出する納税者のレベルに差があり、それを是正するために、税務調査があるという意味も持たれています。

そこで、正しい申告納税を促して、課税の公平性を維持することを目的として、国家の税収を確保するためにあるのが税務調査といえます。

ということで、法人税や所得税などのように申告納税方式がとられている税金には税務調査があるということになります。


税務調査があったからといって、脱税を疑われているわけではない


税務調査というのは、申告納税方式を保全するために、納税者の提出した申告書に不審な点がある場合に、それを確認するために行われるというのが目的となっています。

ただ、税務調査が来たからと言って、脱税をしているということではありません。

税務署の調査官は、1年間に一定の件数、税務調査をしなければならないというノルマを抱えていることになっています。

税務調査は、各納税者間の課税の公平というものであって、決して犯罪捜査ではありません。

行政手続きというものです。

また申告書というのは、それを見ただけで本当に正しいかどうかわからないことがあります。

そこで帳簿や関係書類を見せてもらい、申告の内容を確認するという意味も税務調査にはあるものなのです。

事業がある程度の規模になり、順調に事業を続けている事業者には、数年に一度、税務署の事務手続きとして税務調査をすることになっています。

税務署の調査官によっては、「何が何でも、不正や誤りを見つけてやろう。」

とする気配を醸し出す調査官もいます。

なかには、白をグレーに、グレーを黒にする証拠と理論づくりに調査の主眼をおく調査官がいることも確かなことです。

犯罪捜査ではないといっても、税務調査の対応には細心の注意が必要です。