「税理士さんへの支払金額が契約を結んだ際の金額よりも低い。。。」となるのは、源泉所得税を天引きしているからだといえます。
士業への支払いが少なくなっている
事業を営んでいると士業の方と契約を結んで支払いを行ったりするものでしょう。
「税金関係を税理士に、登記関係を司法書士に、労務関係を社会保険労務士に。」といったように。
とはいっても、このような士業の方を「事業を営んでいるなら絶対に頼ったほうがいい。」とは考えなくてもいいものです。
税金の申告書や登記、給与計算などはじぶんでやってみようと思えばできなくはないといえるからです。
また、書籍やインターネットでの情報収集、スポットでの相談で間に合う場合もあるといえるかもしれません。
そんな士業の方への支払いが「何だか請求された金額よりも少なく支払うことになっているし、端数がある。」ともかんじたりするものでしょう。
その士業が個人事業の場合には源泉所得税を天引きして支払うことになるから
たとえば、個人事業主である税理士の方に「契約金額は50,000円で。。。」となった場合には、通常は消費税をプラスした「55,000円を支払えば良いんだね。」とも思ったりもするでしょう。
ただ「なぜ、当初聞いていた請求金額よりも低い金額を支払うことになるのか。。。」ということがあるのかといえば、
「その士業の方が個人事業主の場合には源泉所得税を天引きしなければならない。」からです。
その源泉所得税の金額は税抜き金額に対して、10.21%をかけた金額となるのです。
なので「契約金額は50,000で。。。」という場合には、
50,000円 × 10.21% = 5,105円
となる源泉所得税5,105円を差し引くので、
50,000円 + 5,000円(消費税) - 5,105円 = 49,895円
という支払う金額は49,895円となります。
また、司法書士の方が個人事業の場合には、ちょっとしたトラップもあり「先ほどの計算から10,000円を差し引く。」としなければならないので、
(50,000円 ‐ 10,000円) × 10.21% = 4,084円
となる源泉所得税4,084円を差し引き、
50,000円 + 5,000円(消費税) - 4,084円 = 50,916円
となったりして、税理士に支払う場合と司法書士に支払う場合では「同じ請求金額でも支払金額が異なる。」ことになるといえます。
さらには、1回の支払金額が100万円を超える際には「100万円超の金額部分の源泉所得税が20.42%にしなければならない。」ので、計算式も変わってくるのです。
契約金額が150万円の場合には、
(1,500,000円 - 1,000,000円) × 20.42% + 102,100円 = 204,200円
となる源泉所得税204,200円を差し引くので、
1,500,000円 + 150,000円(消費税) - 204,200円 = 1,445,800円
ということで、支払金額は1,445,800円となります。
そして、行政書士の方への支払いはその行政書士が個人事業主の場合だったとしても「源泉所得税を天引きする必要はない。」というトリックもあったりするものです。
源泉所得税を天引きした場合にはその金額を税務署に支払う
などという源泉所得税があるために、契約金額より少ない金額を支払うことになったりするのです。
そして、源泉所得税を天引きするのは「相手が個人事業主の士業の場合。」だといえるので、法人の場合には源泉所得税を差し引く必要はなく契約通りの支払いをすることになるのです。
また、じぶんがひとを雇っておらず給与を誰にも支払っていない個人事業主の場合にも、個人事業主の税理士などの士業への支払いは源泉所得税を天引きする必要がないといえます。
「だったら、源泉所得税を天引きする人のほうが支払金額も安くなって得じゃん。」とも思われるかもしれません。
ただ、天引きした源泉所得税は税務署に支払うことになるので「源泉所得税を天引きしていようが、天引きしていまいが支払う総額は変わらない。」といえます。
個人事業主の税理士から5,105円の源泉所得税を天引きした場合には、その5,105円を税務署に納付書などで支払うことになるからです。
その支払い期限は、支払った月の翌月10日まで(半年分をまとめて支払う届け出を提出している場合には、7月10日までか1月20日まで)。
なので、個人事業主の士業の方へ源泉所得税を天引きしなければならない場合には、税務署への支払いを忘れないようにしましょう。